まとめ
  • 長毛猫は、サマーカットによってストレスが激減する可能性も 
  • 愛猫の過ごしやすさだけではなく、熱中症や皮膚病の予防にもつながる
  • 飼主自身でサマーカットを行う際は、必ずペット用のバリカンを使用する

防寒・クッション・紫外線防止。猫の被毛には、見た目以上にさまざまな役割が備わっています。しかし高温多湿な日本の夏では、便利な被毛もストレスの原因になってしまうことがあります。

夏場の猫が快適に過ごすための方法の一つが、サマーカットです。今回は、猫にサマーカットをするメリットや注意点などを紹介します。

猫をサマーカットするメリットは?

ここでは、猫をサマーカットするメリットや目的について紹介します。とくにペルシャやノルウェージャンフォレストキャットなどの長毛猫は、サマーカットによってストレスが激減する可能性も。

サマーカットの具体的なメリットを理解したうえで、実際のカットを検討していきましょう。

夏や梅雨の時期に過ごしやすくなる

サマーカットのメリットとして、夏や梅雨時期に過ごしやすくなることがあげられます。一般的に、猫が快適に過ごせる温度は20~28℃程度、湿度は50~60%程度といわれています。

しかし昨今の日本の夏は、日常的に気温30℃を超えていますよね。梅雨時期から初夏にかけては、湿度80%を超えることも。これでは、猫が快適に暮らすことはできません。

サマーカットによって通気性を高めることは、愛猫の過ごしやすさだけではなく、熱中症予防にもつながるのです。

ブラッシング・被毛ケアが簡単になる

ブラッシングや被毛ケアが簡単になることも、サマーカットのメリットです。とくに長毛猫を飼育している人にとって、毛玉やブラッシングは永遠の課題ですよね。

サマーカットをすることで、被毛が生えそろうまでの期間、日々のブラッシングが格段に容易になります。

今まで20分以上かけていたブラッシングの時間も、サマーカットにすれば半分以下に。カットのスタイルによっては、長毛猫でも5分程度のケアで十分になります。ブラッシングはもちろん、シャンプーやブローも簡単になりますよ。

通気性が上がり、皮膚病の予防になる

サマーカットによって通気性が上がることで、被毛が蒸れにくくなり、皮膚病の予防になります。とくに梅雨の時期は湿度が高いため菌が繁殖しやすく、健康な猫でも思わぬ皮膚トラブルに見舞われるケースがあります。

また猫の被毛は、抜けてすぐに床に落ちるわけではありません。抜け毛はしばらく皮膚の近くに残り、雑菌の温床になります。サマーカットによって抜け毛を短くすれば、より清潔な体を保てるでしょう。

毛玉や汚れをリセットできる

サマーカットを行うことで、毛玉や汚れをリセットできます。ブラッシングをしていると、被毛の表面的な絡まりは取れても、皮膚に近い部分に毛玉が生成されているケースがありますよね。

サマーカットでは今まで見えなかった毛玉を発見でき、冬の間に見逃していた部分もケアが可能です。また被毛に付着していた埃や細かい汚れもリセットされるため、臭いケアや疾患の予防にもつながります。

ストレスの原因に?猫をサマーカットする注意点を知っておこう

ここでは、猫をサマーカットする際に注意したいポイントを紹介します。夏を快適にするサマーカットですが、メリットばかりではありません。本来生まれ持った被毛をカットすることによるデメリットを学び、愛猫に寄り添ったケア方法を考えていきましょう。

グルーミングの感覚が変わってしまう

猫は日常的にグルーミングを行う生き物です。グルーミングの目的は被毛の汚れを落としたり心を落ち着かせたりなどさまざまですが、サマーカットを行うとグルーミングの感覚が変わり、違和感につながってしまいます。

自分自身を落ち着かせるためにグルーミングを行っているのにもかかわらず、ストレスを感じてしまう可能性があります。とくに元々の被毛が長い猫は、自分の体の変化に気持ちが着いていかず、イライラや落ち込みにつながるリスクがあるでしょう。

サロンに連れて行くこと自体がストレスになる

猫のサマーカットでは、安全のためにサロンに連れて行く飼主も多いかと思います。しかし猫は犬と比べ、普段の居場所=縄張りを大切にする生き物です。サロンに連れて行くこと自体が、環境変化によるストレスになってしまうでしょう。

そもそも猫を受け付けているサロンは、犬よりも少ない傾向に。サマーカットのために長い移動距離が必要になる場合、猫のストレスはさらに大きいものになってしまいます。

その結果、通院や入院など重要度の高い外出ですらも、より強い拒否反応を示すリスクにつながるでしょう。

紫外線や害虫の被害を受けやすくなる

猫の被毛は、紫外線や害虫の被害から体を守るための役割もあります。サマーカットによって被毛が短くなると、日光が直接皮膚に当たりやすくなり、紫外線の影響で炎症を起こしてしまうリスクが高まります。

ノミやダニなどの害虫被害も同様です。とはいえサマーカットには「蒸れを防止して皮膚を守る」というメリットもあるため、猫の体質や環境によって一長一短といえます。

毛並みが綺麗に戻らないことがある

サマーカットを行うと、毛並みが綺麗に戻らない可能性があります。とくに再生力が減少傾向にあるシニア猫の場合は要注意です。

またカットした部分が気になり、猫が頻繁に舐めてしまうケースも考えられます。過剰なグルーミングは、脱毛や皮膚炎の原因になります。無事に生えてきた後も、カット前とは異なるボリューム感になってしまうリスクがあります。

自分でできるの?猫をサマーカットする際のポイント

ここでは、実際に猫をサマーカットする際のポイントや注意点を紹介します。サマーカットでは、猫自身のストレスを最小限にすることが大切です。猫の性質にも寄り添いながら、時には専門家に相談しつつ安全に進めていきましょう。

ペット用のバリカンで少しずつ行う

飼主が自分でサマーカットを行う際は、必ずペット用のバリカンを使ってください。長毛猫の場合は、最初に長い部分の毛をある程度カットしてから行うとスムーズです。

猫の皮膚はよく伸び柔らかいため、ハサミでは誤って切ってしまうリスクがあります。根本に近い部分をカットするのは避け、バリカンで剃りやすい程度の長さに整えるとよいでしょう。

ペット用のバリカンは音が小さく、安全性にも配慮されている点がメリットです。

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かかりつけの動物病院で相談する

ペットの性格や体質・体格によっては、カット時に暴れてしまったり、一部の皮膚が切れやすかったりする不安があります。とくに初めてサマーカットを行う際は、かかりつけの動物病院で相談すると安心です。

サロンを兼ね備えている動物病院では、診察とは別にサマーカットに対応してくれるケースも。自分で行う際やサロンに連れて行く際のアドバイスも教えてもらえます。

カット後は丁寧にブラッシングする

サマーカットが終わった後は、一見すると見えないような小さな被毛が多く残っています。残っている毛をしっかり落とすために、丁寧なブラッシングを心がけましょう。普段とはブラッシングの感覚も異なるため、猫を痛がらせないように優しくブラッシングしてあげてください。

かわいい&かっこいい姿に変身!おすすめのサマーカット

サマーカットは、猫の体の安全や健康のために行うカットです。そのため犬のトリミングのようにオシャレさを意識する必要は本来ありませんが、頭・旨・尻尾の被毛を残した「ライオンカットは多くのペットオーナーに人気のスタイルです。

初めてサマーカットを行う場合は、ビジュアルは意識せずに無理のないスタイルを心がけましょう。またサマーカットと合わせて肉球周りや肛門周りなどを部分的にカットすれば、滑り防止や清潔の維持につながります。

サマーカットは一長一短。体質や性格に合わせて慎重に!

今回は、猫をサマーカットにするメリット・デメリットや、実際に行う際のポイントを紹介しました。

サマーカットは夏場の生活を快適にしますが、体感温度に大幅な変化を与えるため、心身のストレスにつながる可能性もあります。猫自身の年齢や性格によっても適した選択が異なるため、まずは様子を見ながら少しずつカットを進めていくことをおすすめします。

 

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