まとめ
  • カブトムシやクワガタは、種類によって性格や性質が異なる
  • 寿命は成虫になってから2~3カ月。適切な飼育環境では1年以上生きることも!
  • 直射日光は厳禁。国産種でも30℃以下の環境で飼育しよう

※本記事内にはカブトムシ・クワガタの画像が挿入されます。昆虫が苦手な方はご注意ください。

お子さんの虫取りやホームセンターでの購入など、突然小さな家族が増えてお困りの人も多いのではないでしょうか。

今回は、カブトムシ・クワガタの種類ごとの特徴や、基本的な飼育方法を紹介します。本記事を参考に、安全かつ長生きしやすい環境でカブトムシ・クワガタを育成してください。

カブトムシ・クワガタ飼育|基本情報を解説!

ここでは、カブトムシ・クワガタの基本的な情報や飼育方法を紹介します。

カブトムシやクワガタは一見すると丈夫そうに見えますが、実は飼育環境に気遣いが必要な生き物。寿命も事前に把握しておくと、飼育する際のお子さんの意識も高まりそうです。

常温で飼育可能だが、直射日光には要注意

日本の夏を象徴する昆虫であるカブトムシ・クワガタですが、実は直射日光が苦手な生き物です。飼育の際は、日光のあたらない風通しの良い場所にケースを設置してください。国産のカブトムシ・クワガタでも、30℃を超える室温は避けましょう

カブトムシ・クワガタの寿命は、種類によって異なる

カブトムシ・クワガタの寿命は、種類によって異なります。一般的な種類は、成虫後から2~3カ月という短い期間で寿命を終えます

個体差はありますが、メスのほうがオスよりも1カ月ほど寿命が長いケースが多いようです。体力を消費する交尾をおこなわない個体は、さらに長生きしやすい傾向にあります。

またヤマトカブトムシを含むカブトムシの成虫は、基本的に越冬できません。しかし多くのクワガタは越冬が可能であるため、2年以上生きる個体も多いです。とくにオオクワガタ・ヒラタクワガタ・コクワガタなどは長寿な個体が多いことが特徴です。

ペットで人気のカブトムシ・クワガタの代表種類

ここでは、ペットで人気のカブトムシ・クワガタの種類を紹介します。

  • コーカサスオオカブト
  • ヤマトカブトムシ
  • ヘラクレスオオカブト
  • オオクワガタ
  • ギラファノコギリクワガタ
  • ヒラタクワガタ
  • ミヤマクワガタ

似ているようで、実は個性も性格も異なる昆虫たち。それぞれの特徴をチェックしてみましょう!

コーカサスオオカブト

コーカサスオオカブトは、大きな3本のツノが特徴的な大型のカブトムシです。一般的に飼育できるカブトムシのなかでは、とくに凶暴な種類とされています。複数飼育は喧嘩の原因になるため、飼育の際は単体飼育が望まれます。

ヤマトカブトムシ

ヤマトカブトムシは、日本を代表するカブトムシの種類です。いわゆる「カブトムシ」といえば、ヤマトカブトムシを指します。基本的には穏やかな性格をしていますが、いざという時には負けん気を発揮します。どことなく、日本人の性質に似ている性格をしていますよね!

ヘラクレスオオカブト

ヘラクレスオオカブトは、カブトムシのなかでも世界最大の大きさを誇る人気種です。長く立派に伸びたツノが特徴的なヘラクレスオオカブトは、温厚で優しい性格をしています。まさに気は優しくて力持ちを体現したようなカブトムシなのです。

オオクワガタ

オオクワガタは、日本中に広く分布しているクワガタです。しかし一部地域では捕獲数が再生産能力を上回っており、個体数減少の危機に晒されています。マイペースな性格をしており温厚であるため、初めてのクワガタ飼育にもおすすめです。

ギラファノコギリクワガタ

ギラファノコギリクワガタは、真っ黒な体と非常に長い顎が特徴的なクワガタです。見た目の迫力とは裏腹に大人しい性格をしており、自分から攻撃することはほぼありません。普段は熱帯雨林に生息しており、世界最長のクワガタとして知られています。

ヒラタクワガタ

ヒラタクワガタは、平べったい体からその名前が付けられたクワガタです。飼育用として比較的有名な種類ですが、実は気性が荒く凶暴な傾向にあります。しかし飼育難易度自体は低く、クワガタ飼育の入門としても愛される種類です。

ミヤマクワガタ

ミヤマクワガタは、標高が高く涼しい森の中に生息するクワガタです。気性が荒く、とくに餌やメスを巡る争いでは強い攻撃性を発揮します。大きく華やかな顎を持っていることから、子どもからの人気が高いクワガタの一種です。

カブトムシ・クワガタの飼育に必要なものリスト

ここでは、カブトムシ・クワガタの飼育に必要なグッズを紹介します。

  • 飼育ケース
  • 転倒防止用の木材
  • 餌を置くための台
  • 成虫管理用マット
  • 昆虫ゼリー(餌)

以下に、一つひとつのグッズのポイントを解説していきますので、カブトムシ・クワガタを飼育する際の参考にしてください。

飼育ケース|コバエ対策がある商品がおすすめ

カブトムシ・クワガタの飼育ケースは、一般的に販売されている商品であれば何を選んでも問題ありません。ただし室内飼育の場合はコバエ対策が必須になるため、コバエシャッターが備えられたデザインがおすすめです。

転倒防止用の木材|転倒時にすぐに起き上がれるように

カブトムシ・クワガタがケース内で引っくり返った際に起き上がれるように、転倒防止用の木材を用意します。小さな丸太や木片を置いておけば足場となり、自力で起き上がってくれます。個体のサイズに合わせた木材を選びましょう。

餌を置くための台|餌の転倒防止に

カブトムシ・クワガタは、餌自体を引っ繰り返してしまう場合があります。天然木やプラスチック製の餌台を設置し、いつでも安全に餌が食べられる環境を整えましょう。また餌台の周辺は、カブトムシ・クワガタの隠れ場にもなります。

成虫管理用マット|成虫が潜れる深さを用意

成虫管理用マットは、カブトムシ・クワガタの隠れ家になったり、ケース内の保湿(霧吹きで水分を含ませる)をしたりなどで役立ちます。個体が潜れる程度の深さのマットを用意しましょう。

特にカブトムシのメスは、日中はマットに潜っていることが多いです。姿が見えなくても、マットの中で眠っているんだな、と思ってそっとしてあげましょう。

またカブトムシ・クワガタを繁殖させる際は、幼虫が食べられるマットを使用することで、卵が孵って幼虫が生まれた場合も幼虫が大きく育ってくれます。

カブトムシをオスとメス一緒に飼っていた場合、成虫が全ていなくなった後に、マットに卵が残されていることも珍しくありません。成虫がいなくなってしまったからといって、マットをすぐに捨ててしまわず、卵や幼虫がいないか、確認してみてはどうでしょうか。

昆虫ゼリー(餌)|基本は通常飼育用でOK

カブトムシ・クワガタの飼育に欠かせないのが、餌となる昆虫ゼリーです。基本的には、通常飼育用の商品を与えれば問題ありません。それぞれのゼリーは、昆虫に合わせた栄養・水分量で作られています。

カブトムシ・クワガタを健康に長生きさせるコツ

ここでは、カブトムシ・クワガタを健康に長生きさせるコツを紹介します。

カブトムシ・クワガタは、適切な環境で飼育すると1年以上長生きすることも!快適な飼育環境を整え、1日でも長く一緒に暮らせる状態を目指しましょう。

転倒や餌の腐敗などは小まめにチェック

カブトムシ・クワガタの飼育では、転倒や餌の腐敗などを細かくチェックしてください。転倒時に起き上がれない状態が続くと体力を消費し、寿命が短くなる原因になります。昆虫ゼリーは、食べ残しがあっても2~4日に1回は新しいゼリーと交換しましょう。

適度な霧吹きで水分を調整

カブトムシ・クワガタが生きる自然界では、降雨による湿度によって適切な育成環境が保持されています。室内で飼育する際は、定期的に霧吹きで水分を与えて雨の代わりとし、湿度を保持しましょう。

ケース内が乾燥しすぎると、体の水分量が減少して関節が壊れやすくなってしまいます。マットの表面が湿る程度に定期的な霧吹きをして過ごしやすい環境をキープしてください。

基本は1匹ずつ飼育しよう

カブトムシ・クワガタのなかには、複数飼育ができるような温厚な種類も存在しています。しかし犬や猫と同様に、個体によっては攻撃性が強い場合もあります少なくとも飼育に慣れるまでは、単体飼育で様子を見るように努めましょう

カブトムシを幼虫から飼育する場合は、余程エサが少ない状況でなければ複数飼育が可能です。しかしクワガタの幼虫の場合は共食いのリスクがあるため、卵を見つけた時点から単体飼育に切り替えましょう。

クワガタの多頭飼育は非推奨

飼育に慣れた後でも、クワガタの多頭飼育は基本的に推奨されませんなぜならクワガタは、メスがオスの足を切ってしまったり、交尾を受け入れないメスをオスが殺してしまったりするトラブルが起こりやすいからです。

とくにクワガタのオスは、交尾を受け入れないメスを攻撃することがあります。またメスには体内に精子を格納する受精嚢(じゅせいのう)という器官があるため、1回交尾するとその後卵を産むために交尾をする必要がなくなります。

そのため交尾経験があるメスは新しいオスを拒絶することも少なくありません(交尾させることもありますが、しつこいと嫌がられるようです)。

その結果、オスが交尾をさせないメスを殺してしまうケースがあるのです。交尾経験の有無は見た目から判別しにくいため、不要なトラブルを避けるためにも単独飼育をおすすめします。

お子さんの観察日記にも!カブトムシ・クワガタは日本の夏のロマン

今回は、カブトムシ・クワガタの基本情報や、初心者向けの飼育方法などを紹介しました。

カブトムシやクワガタは、日本の夏のロマンともいえる存在です。お子さんの観察日記の対象としても、毎年全国で大活躍してくれます。ぜひこの機会にカブトムシやクワガタを家族に迎え、懸命に生きる姿を観察してみてください。

 

カブトムシ同様、夏の風物詩として知られる金魚。お祭りなどで取った金魚の飼育方法はこちらをチェック!