まとめ
  • 保護猫活動は“人と猫が共生する手助けをする活動”のこと
  • 「子猫」と「人慣れしていない猫」のお世話は特に楽しい!
  • 保護猫活動を通して“命”と“お金”に向き合える

「保護猫活動に興味があるけれど、実際にどんなことをするの?」

猫は好きだけれど、保護猫活動と聞いてもピンとこない人もいるのではないでしょうか。

保護猫活動とは、飼主のいない猫や怪我をした野良猫などを保護して新しい飼主を探す活動のこと。「猫の保護」と一口に言っても、その裏側ではさまざまな活動、そして活動者の苦悩があります。

 

今回は「フリースクールゆきレオ」と保護猫施設「ゆきレオ保育園」を運営する福本さんと娘の凛さんに、保護猫活動の裏側をインタビュー12歳の理事長と代表が語る、保護猫活動のリアル”に迫ります。

◆取材・監修:「NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園

福本亜弥(ふくもとあや)さん

愛玩動物飼養管理士2級。ちば愛犬動物学園を卒業後、動物病院で2年間看護士に従事。長男(発達障害・自閉症・学習障害・小・中学校不登校)・娘(対人恐怖症・不登校)の2人の子どもの母。娘が理事長を務める「NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園」のサポートをしている。不登校や心のケアが必要な子ども・若者が保護猫が一緒に過ごせるフリースクールを運営。

福本凛(ふくもとりん)さん

「フリースクールゆきレオ」の理事長。小学4年生で不登校を経験。ニュースをきっかけに保護猫活動に興味を持つ。

保護猫活動って何するの?主な3つの活動を紹介

保護猫活動とは、避妊・去勢手術を行って猫と人が共生しやすくしたり、猫のケアをして新しい飼主につなげたりする活動のことです。

ここでは、保護猫活動に含まれる以下3つのことを紹介します。

  • TNR
  • 猫の保護・譲渡
  • ミルクボランティア

TNR

保護猫活動のひとつに、TNRがあげられます。TNRは、Trap(捕まえて)Neuter(避妊・去勢手術を行い)Return(元いた場所へ返す)の略称で、外にいる猫がその地域で暮らしやすくなるように行うものです。

福本さん
福本さん

ゆきレオ保育園でも、健康に問題がない猫に関してTNRを行い、地域で見守る形をとっています。

避妊・去勢手術をしなければ、地域の野良猫がどんどん増え、事故に遭う猫が増えたり深刻な糞尿被害につながったりするおそれがあります。TNRをすることで、地域で猫が増えることがなくなり、人も猫も穏やかに生活できるようになるのです。

▼関連記事
【地域猫ってなに?】耳カットされたさくら猫|人と猫が共存する「地域猫活動」の話

猫の保護・譲渡

猫がいる環境がよくない場合や怪我をしているときなどは、保護をしてケアを行い新しい飼主につなげることもあるようです。

▼猫の保護を決断する状況の例

  • 交通量が多い場所にいる
  • 猫をいじめる人がいる
  • 怪我や体調がよくない
  • 多頭飼育崩壊が起きている

実際にゆきレオ保育園でも、これまで100匹以上の猫を保護しているそう。

福本さん
福本さん

ゆきレオは基本的に、怪我をしていたり交通事故が多い地域で暮らしている猫を保護しています。ほかにも、多頭飼育崩壊のご家庭にいた猫70匹のうち、7匹を引き取ったこともありました。

ミルクボランティア

生後まもない子猫を育てる「ミルクボランティア」も、保護猫活動のひとつです。動物愛護センターや保健所などではたくさんの猫が収容されますが、半数以上は子猫が占めています。

人の赤ちゃん同様、子猫のお世話には2〜3時間おきのミルクや排泄の補助などが欠かせません。ゆきレオ保育園でも猫の出産時期になると、子猫の保護が増えて大忙しになるそう。

そのため、子猫を一時的に預かり、育ててもらうミルクボランティアが求められているのです。

“12歳の理事長”が語る、保護猫活動の楽しさと難しさ

ゆきレオ保育園を立ち上げたのは、当時小学4年生だった凛さん。実際にたくさんの猫の保護やケアを経験した凛さんに、保護猫活動の楽しさと難しさを聞きました。

子どもの保護猫活動。身につくのは「母性」

ゆきレオ保育園の理事長として、猫の捕獲からお世話、里親募集などさまざまな保護猫活動を行っている凛さん。なかでも、子猫と人慣れしていない猫のお世話はやりがいが大きいのだそう。

凛さん
凛さん

活動のなかでも、特に楽しいのは子猫にミルクをあげることです。なかなか飲んでくれないときは、「どうして飲んでくれないの?」と焦りますが、お世話はかわいくて苦になりません。

また、捕獲したばかりの人慣れしていない猫のお世話は、心を開いてくれるまでの道のりが楽しいです。

保護猫活動の裏にあるのは“命”と“お金”の重さ

楽しいことがある反面、大変なことも多い保護猫活動。現在12歳の凛さんですが、「命」と「お金」の問題で悩むことも

現在18匹の猫を保護しているゆきレオ保育園では、施設での多頭飼育崩壊を防ぐためにも「保護をする猫と保護をしない猫の線引き」をしなければならないそうです。

凛さん
凛さん

TNRをするために捕獲した猫のなかに、妊娠していた猫がいました。ただ、春先になると子猫の保護が増えることもあり、時期によっては堕胎が必要になることもあります。

産ませない判断をするときは、かなりつらかったです。

まだ12歳という年齢で、保護猫活動を通して猫の命とその重みに向き合う凛さん。さらにお話を聞いていくと、金銭面の不安もあるのだとか。

凛さん
凛さん

医療費の心配はつねにあります。Instagramの投稿を見て応援してくださる方のおかげでやりくりできていますが、この状況がずっと続く保証はないとわかっていて。

「もし集まらなかったら……?」というストレスはずっとあります。

ゆきレオ保育園では、怪我をした猫を保護することも多いです。実際に、脚に大きな怪我を負っていた「めめちゃん」にかかった医療費はおよそ30〜40万円。

引用:@poniyan89

このように、保護猫活動にお金の心配はつきもの。しかし、凛さんは保護猫たちの医療費を稼ぐためにカレンダー作りや、猫カフェの運営を計画しているそうです。

2024年3月に小学校を卒業したとは思えない、凛さんの現実的かつ前向きな計画に驚きました。保護猫活動は、生きるために欠かせないテーマに子どもと一緒に向き合える大事な学びの場でもあるようです。

“保護猫と過ごせる”フリースクールが増えることを願って

福本さんは猫の保護に時間とお金がかかっていることを知ってほしい」と語ります。

NPO法人であるゆきレオ保育園。「カレンダーづくりで保護猫たちのお金を稼ぎたい」そう語る凛さんの言葉からも、保護猫たちの窓口となっている方々や団体の負担を考える必要がありそうです。

また、猫の居場所だけでなく子どもの居場所づくりも行っている「NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園」。

猫がいるフリースクールは全国でも珍しいので、うち以外にも子どもと猫がお互いに助け合える場所が増えてほしい――福本さんはそう語ります。

保護猫たちの里親募集を拡散するだけでも、かなり大きなサポートになるそうです。

 

この記事を見て、「何か手伝えることはないかな?」と思った方は、ぜひNPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園の記事をチェックしてみてください。

あわせて読む

「子どもと保護猫が“共に助け合い、支え合える”居場所を」不登校の児童に向けた『フリースクールゆきレオ』

◆施設情報◆

NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園

所在地:大阪府河内長野市あかしあ台1-1-17
開校時間:毎週火・木・金曜日11:00〜15:00
料金:初回見学無料、入会金1万円(回数によって金額が変動)
※詳細や空き状況はX(Twitter)Instagramをご覧ください