まとめ
  • 引越しの距離やペットの性質によって輸送方法を選択
  • 引越し時は、キャリーに飼主や自分の匂いがするアイテムを入れる
  • 自分で輸送する場合、脱水・脱走に細心の注意を払う
  • 犬の場合は転入・転出の届け出も忘れずに

ペットと一緒に暮らしていると、どうしても避けられないイベントがあります。

それは、ペット同伴の引越しです。住み慣れた家から離れる引越しは、ペットにとってストレスが大きいもの。できる限り心身の負担をケアしつつ、早めに新しい家に慣らしてあげたいですよね。

今回は、ペットと一緒に引越しをするときのポイント・注意点などを紹介します。ペットにとって引越しは、突然「いつもの場所」がなくなってしまうショッキングな出来事です。ペットの年齢や性格、引越しの距離に応じて、適切な選択をしていきましょう。

引越しはペットにとって大きなストレス。どう対処するべき?

動物は、人間を含めて環境の変化でストレスを感じます。

暑さ・寒さ・光・匂い・音など、小さな変化でも無意識にストレスを抱いています。事実、少し部屋の模様替えをしただけで体調を崩してしまうペットも少なくありません。

住処が丸ごと変化する引越しは、動物にとって非常に大きなショックを与えます。

とくに猫は空間におけるテリトリー意識が強いため、人間が想像する以上に不安や喪失感を抱いている可能性があります。

言葉が通じないペットにとっては「ある日いきなり安住の地を失った」という感覚になってしまうのです。

猫・犬と引越しする際の輸送方法

ここでは、猫・犬と引越しをする際の輸送方法について紹介します。引越し時のペット輸送の方法は、おもに以下の3つです。

  • 引越し業者への依頼
  • ペット輸送専門業者への依頼
  • 自力での移動

それぞれの特徴・メリット・デメリットを把握し、シチュエーションに沿った輸送方法を選択しましょう。

引越し業者への依頼

引越し業者への依頼は、自分の手間が最小限で済むことがメリットです。ペットに負担がかからない最善の方法で運んでくれるため安心です。

しかし業者によっては運べないペットがいたり、追加料金が発生したりすることも。遠距離の引越しをする場合におすすめの方法です。

ペット輸送専門業者への依頼

ペット輸送専門業者でも、引越し業者と同様に最善の輸送方法を選択してもらえます。

また爬虫類や魚類などにも対応しているケースが多いため、猫・犬以外にも複数のペットを飼育している人におすすめです。

ただし料金は割高なケースが多く、自分で業者を調べる必要があるため手間がかかります。

自分でキャリーと移動する

近距離〜中距離の引越しの場合は、自分で自家用車や公共交通機関を使う方法もあります。

ペットが人見知りの場合は業者を利用するとストレスを感じやすいため、飼主が自分で運ぶのもよいでしょう。

ただしペットが移動自体に慣れていない場合は、人間にもペットにも負担がかかりやすくなる点に注意しましょう。

猫・犬と引越しをする際の注意点やポイント

ここでは、猫・犬と引越しをする際の注意点やポイントを紹介します。

ペットの不安をケアするためには、普段以上の気配りが必要です。ペットにとって安心できる条件を考えたうえで、飼主が心理的なサポートを行いましょう。

業者の出入り時はキャリーかケージに移動し、持ち出しは最後に

引越し時に早めにペットを移動させてしまうと、空腹・乾き・排泄のリスクが上がります。車の中で待たせていると、匂いや騒音などもストレスの要因になってしまいます。

ペット以外の荷物の運搬がほぼ終わるまでは、安全なキャリーかケージに移動してもらいましょう。

ドアや窓が解放されやすい引越し作業中では、脱走防止にもつながります。

ペットの移動時間やキャリーに入れている時間が最小限になるように、引越し全体のスケジュールを調整することも大切です。

移動中の脱水・脱走防止を徹底する

とくに自分で輸送する場合は、移動中の脱水・脱走防止を徹底する必要があります。定期的にキャリーの外側からペットを観察しつつ、体調の変化にすぐに気づけるように心がけてください。

水を入れたシリンジ(スポイトでもOK)を何本か持ち歩けば、キャリーを開けなくても水分補給が可能です。

夏場の引越しではキャリー内に凍らせたペットボトルを入れておくと、暑さ対策になるだけではなく結露による水分補給もできるためおすすめです。

 

また移動中は、自家用車以外では絶対にキャリーを開けないでください。公共の場でペットが脱走してしまった場合、取り返しのつかないことになってしまいます。

お気に入りのおもちゃ・飼主の匂いのする物を入れる

引越し後のペットのストレスを少しでも和らげるために、元の家をイメージできるアイテムをキャリーに入れておきましょう。お気に入りのおもちゃや飼主の匂いがする物を入れると、精神的な安定につながります。

猫の場合は、新しいトイレに「元の家で使っていた猫砂か排泄物」を設置することをおすすめします。猫は排泄物の匂いによって縄張りを確認する習性を持つため、新しい家に慣れやすくなるでしょう。

犬の場合は、不安なときでも飼主の匂いを感じられるだけで安心するものです。

キャリー内にはもちろん、引越し作業が終わった後にもなるべく早めにいつものおもちゃや飼主の匂いのするものを与えてあげてください。

犬の引越しには市区町村への登録の必要も

引越し前後のペットはナイーブになっており、疲労によって免疫も落ちやすい状態です。早く慣れてもらうために引越し直後から遊びに誘う人もいますが、基本的には構いすぎず本人のペースを見守りましょう。

また、犬を連れて市区町村をまたいで引越しの場合、飼主には「新しい市区町村に飼い犬の登録をすること」が法律(狂犬病予防法)で義務付けられています。

転出前に旧住所を管轄する役所で届け出を行うと、鑑識票が交付されます。鑑識票を持参のうえ、転入から30日以内に、新しい住所の市区町村に犬の住所変更届を提出しましょう。登録が終われば、狂犬病の予防接種の案内も新住所に郵送されるようになります。

猫の場合は特別な届け出は必要ありませんが、犬より引越し後のストレスが多い傾向に。猫は「初めて来た場所は少しずつ探検して、感覚的に地図を広げていく」という習性を持ちます。焦らず急かさず、猫のペースを見守ってください。

引越し前後はペットはナイーブに。構いすぎず、ペースを見守ろう

今回は、ペットと一緒に引越しする際のポイント・注意点を紹介しました。普段は落ち着いた性格のペットでも、引越しで環境が変わると必ず不安を感じるものです。そのときに心理的なサポートになるのが、飼主の存在です。

飼主がいつも通りに振る舞っていることや、昔ながらの匂いを感じることで、ペットの不安は少しずつ安心に変わっていきます。

時には寄り添い、時には丁度よい距離で見守りながら、ペットの心をケアしていきましょう。

 

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