まとめ
  • 爬虫類は体温調節ができないので、寒さ対策が必須
  • ペットの爬虫類は冬眠させないほうがいい
  • 保温器具で寒さ対策をしよう

秋が終われば、本格的に寒い季節の到来です。爬虫類を飼っている人のなかには「爬虫類は変温動物だから、冬眠すれば問題ない」と思う人もいるでしょう。

しかし、なかには冬眠しない爬虫類もいます。冬眠しない爬虫類を寒い環境におくと、体調不良も招くことも

そこで今回は爬虫類が寒さを苦手とする理由や、おすすめの寒さ対策を紹介します。爬虫類を飼っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

爬虫類は寒さに弱い?飼育の適正温度を知ろう

爬虫類は、変温動物のため自分で体温調節ができません。そのため、過ごしやすい温度の場所に移動することで体温をコントロールします。寒さが爬虫類に及ぼす影響をみていきましょう。

爬虫類の適正温度

種類によっても異なりますが、爬虫類の適正な温度は25〜32℃の間です。それぞれの生息地の自然環境を再現することが望ましいといわれています。日中は高め、夜間は低めの温度に設定し、1日のなかで温度差が発生するようにしましょう。

爬虫類が移動して自由に温度調節できるように、ケージ内でも温度勾配をつくります。基本の温度は27℃前後、ホットスポット(一番暖かい場所)としてケージの一部に32℃前後の場所を作ってあげてください。

爬虫類は冬眠する?

実はすべての爬虫類が冬眠するわけではありません。冬眠する種類、しない種類が存在がします。

また、爬虫類に発情させるきっかけとして冬眠させる場合もあります。しかし、リスクが高く生体への負担が大きいため、繁殖を考えていない人は冬眠させないほうがいいでしょう。

ペットとして飼われている爬虫類は、適切な温度を保つことで冬眠を防げます。

爬虫類は飼育温度が低いとどうなる?

飼育温度が低く爬虫類の体温が下がってしまうと、さまざまな不調を引き起こします。大切なペットの命を守るため、以下のような不調のサインを見逃さないように日頃からよく観察することが重要です。

動きが鈍くなる

体が冷えてしまうと動きが鈍くなり、代謝も悪くなります。哺乳類は恒温動物なので動くことで体温を上昇させますが、変温動物の爬虫類は自分で体温を上げられません。そのため、寒い状態が続くと動けなくなってしまいます。

餌への食いつきが悪くなる

食欲不振で餌への反応が悪くなったり、餌を食べなくなったりします。寒さは爬虫類の消化器にも影響を及ぼします。消化不良で吐き戻しや下痢を起こし、拒食になる場合もあるため注意が必要です。

爬虫類の寒さ対策3選

寒さが苦手な爬虫類は、体を冷やさないことが重要です。寒さ対策として、ケージ内の温度を下げない工夫を紹介します。どの種類の爬虫類にも使える方法なのでチェックしておきましょう!

1.エアコンを常時稼働する

エアコンを常時稼働させ、ケージが置いてある部屋全体を暖める方法です。ストーブとは違い、火災の心配もないため人が近くにいない場合でも安心です。エアコンは温度設定も可能なため、温度の上がりすぎも防げます。

2.ケージを断熱材で覆う

断熱材でケージの周りを囲ったり、直接ケージに貼り付けたりして寒さを防ぐ方法です。ケージ内に冷気が入るのを防ぎ、熱を逃がさないようにします。断熱材はホームセンターやネットで購入が可能です。

3.断熱カーテンで温室風

メタルラックにケージを置いている場合は、断熱カーテンで囲って爬虫類のための温室を作ることもできます。温室を作っておけば、夏に冷房を入れても温室内を暖めることで人間と爬虫類の両方が快適に過ごせますよ。

爬虫類の寒さ対策におすすめのグッズ

体温管理が苦手な爬虫類のために、寒さ対策グッズはたくさん発売されています。今回はなかでも重要な保温器具について紹介します。

爬虫類専用の保温器具は、大きくわけると「空間を暖めるタイプ」と「地面を暖めるタイプ」の2種類です。飼っている爬虫類に合わせて、保温器具を使い分けましょう。

上部ヒーター

上部ヒーターは「空間を暖めるタイプ」の保温器具です。ケージ内の天井に取り付けるか、ケージの上に設置してケージ内を暖めます。ヒーターそのものは高温になり過ぎず、生体が触れてもやけどしないぐらいの暖かさです。

生体が長時間ヒーターに触れ続けると、低温やけどする恐れがあります。ケージ内に設置する場合は、天井とヒーターの間に生体が入り込む空間をつくらないよう、天井にベタ付けするといいでしょう。

保温球

保温球も「空間を暖めるタイプ」の保温器具です。電球から発する熱でケージ内を暖めます。

昼用・夜用・昼夜兼用などさまざまな種類があり、生息地域の環境に近づけることが可能です。保温球は高熱のため、生体がやけどを負わないよう注意してください。水がかかると割れる危険もあるため、霧吹きにも注意しましょう。

パネルヒーター

パネルヒーターは「地面を暖めるタイプ」の保温器具です。上部ヒーターと保温球では床の温度を上げることはできません。爬虫類の腹部を温めるために、夜行性の爬虫類にはパネルヒーターの使用がおすすめです。

パネルヒーターを敷く場合は、ケージ内の1/2から1/3程度の床面積にとどめましょう。温度勾配をつけて、床の全面には敷かないようにします。全体に敷いてしまうと、爬虫類が熱さから逃げられず、低温やけどの危険性があるためです。

爬虫類用サーモスタット

爬虫類専用のサーモスタットがあります。ケージ内の温度を一定に保つのに便利な装置です。上部ヒーターとサーモスタットを接続して、温度を設定します。ケージ内が設定温度より下がったら、上部ヒーターの電源が自動で入る仕組みです。

逆に、ケージ内が設定温度より上がったら上部ヒーターの電源が切れるため、温度の上がり過ぎも防げます。サーモスタットの温度計はケージ内で一番温度の低いところに設置しましょう。

爬虫類の寒さ対策をする際の注意点

寒さ対策をするうえで、いくつかの注意点があります。しっかり準備して、大切なペットのために安全な環境を整えてあげましょう。

ケージ内の乾燥に注意!

爬虫類は、湿度も適切に管理する必要があります。霧吹きやウェットシェルターへの給水で、ケージ内の湿度を保つことが重要です。

冬場は気温が低く、空気も乾燥しがちです。ケージ内は、保温器具を使って温度を上げるためさらに乾燥します。乾燥した状態で脱皮をした場合、脱皮不全を起こす恐れがあります。

火事に注意!ケージの素材を確認

ケージの素材をよく確認しましょう。アクリル・プラスチック製のケージは、熱に弱く溶ける可能性があります。表面が高温になる保温球の使用は避けるようにしてください。

熱に弱い素材のケージでパネルヒーターを使用する場合は、ケージの下に隙間を開けて差し込むといいでしょう。ケージとパネルヒーターの距離を調節し、ケージが溶けるのを防ぎます。

寒さ対策をして冬を乗り越えよう

今回は爬虫類が寒い冬を乗り越えるための工夫を紹介してきました。適正な温度と湿度は爬虫類の種類によって異なります。なるべく生息地の自然環境を再現してあげると、爬虫類にとって過ごしやすい環境になるといえるでしょう。

本格的な寒さがやってくる前に、大切なペットが暖かく過ごせるよう準備してあげてください。

 

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