まとめ
  • 近くに動物の葬儀をしてくれるお寺や斎場があるかどうか確認する
  • 葬儀の内容・料金などを前もって確認し、どのような内容を望むのか考えておく
  • 火葬した後のお骨をどうするか、自分と一緒のお墓に入れる・入れないなども考え、調べておく

ペットは人よりも寿命が短いものです。悲しいことですが、そのときが来たらきちんとしたお別れをしたい、と考えている人も多いのではないでしょうか。

しかし亡くなってから準備を始めると、必要なものがそろっていなかったり、納得のいくお別れができなかったりすることも。

今回は、ペットのお葬式を考えている人に向けて、葬儀の内容や今からできることを紹介します。また、ペットと同じお墓に入ってずっと一緒にいる方法についても解説していますので、いざというときのためにぜひ参考にしてください。

ペットの葬儀とは?

最近では犬や猫などの動物を飼う人が増え、人と同じように火葬から納骨まで行える「ペット葬儀」という言葉を耳にする機会も多くなりました。ペット葬儀が始まるまでには、どのような歴史があるのでしょうか。

ここでは、ペット葬儀の歴史と現在の葬儀事情、実際に行われることについて紹介します。

ペット葬儀の歴史と現在の葬儀事情

以前は、飼っていたペットが亡くなると焼却場に運ばれて処分されることが多く、飼い主からすると辛いお別れをしなければなりませんでした。平成のペットブームにより「動物も家族の一員」と考える飼い主が増えたことで、ペット葬儀の需要が増したと考えられます。

実際アニコム損保が行ったアンケートによると「ペット葬儀について考えているか」という問いに、約78%の人が「はい」と答えています。また、環境省の調査によると現在ペット葬儀業者の数は970ほどあるといわれており、人気の高さがわかります。

ペット葬儀で実際に行われること

ペット葬儀は、基本的には人と同じような手順です。業者によるお迎えか、飼い主自身でペットの遺体を葬儀場まで運び、住職による読経やお焼香、火葬が行われます。

そのなかでも、下記4つの方法で行われるのが一般的です。

種類 特徴
合同火葬
  • ほかのペットと合同で火葬する
  • お骨拾いや納骨はできない
  • 費用が安い
個別立会火葬
  • 人の葬儀とほとんど同じ内容
  • お骨拾いや納骨ができる
  • 飼い主が立ち会いできる
個別一任火葬
  • 個別立会火葬と流れは同じ
  • 火葬・お骨拾い・納骨に立ち会えない
  • ご遺骨は後日迎えにいくか、自宅に持ってきてもらう
訪問火葬
  • 火葬炉を搭載した火葬車で、自宅や指定した場所で葬儀を行える
  • お骨拾いは選択可能

火葬方法や費用など、希望に合った葬儀プランを選択しましょう。

最愛のペットを送り出すために、今からできること

ここでは、最愛のペットを送り出すために、今からできることについて紹介します。ペットが亡くなった後、どう行動すればいいのか戸惑う人も多いです。

事前準備をしっかり行い、大切なペットと後悔のないお別れをしましょう。

周辺のペット葬儀を扱っているお寺や斎場を調べておく

お住まいの近くでどういう斎場があるか、あらかじめ調べておきましょう。ペットが亡くなったら、一般的に下記3つのなかから依頼先を決めます。

  • 市町村の自治体(役所など)
  • お寺
  • 民間の斎場(訪問火葬業者、ペット霊園)

民間企業以外にも、有料でペット火葬をおこなっている自治体もあります。地域によっては動物専用の火葬炉を設けている自治体もありますが、ほかの廃棄物と一緒に焼却することがほとんど。

「きちんと供養してあげたい」という人は、民間の斎場や寺院で葬儀を行うことをおすすめします。

葬儀の内容と金額・付属する葬礼品などについて

ペット葬儀の金額は、ペットの種類や大きさ、火葬の方法やプランによって異なります。例えば、小動物だと葬儀にかかる費用は1〜2万円が相場ですが、犬猫の場合は大きさによって2〜10万円の費用がかかるでしょう。

ほかにも、棺や骨壷の種類、遺骨を使ったグッズを作るなどによって金額は変動します。個別で墓石を作る場合には、火葬代以外に数十万円が追加でかかることも。

事前に確認しておかないと、当日に想像以上の費用がかかることもありますので、前もって葬儀場に見積もりを出してもらうのがおすすめです。

ペットの葬儀にお経をあげて欲しい

「ペットの葬儀でお経ってあげてもらえるの?」と、不安に思われる人もいるかもしれません。仏教において人もペットも命は平等と考えられているため、読経をしてくれるお寺や僧侶も近年増えています

以下の方法で、読経をお願いするのがおすすめです。

  • 民間のペット霊園に手配してもらう
  • ペット葬儀を行っているお寺や僧侶に直接依頼する

読経の際は、人のお葬式で使う数珠を持っておくといいでしょう。また、お経をあげてもらったら、僧侶にお布施と呼ばれるお礼を渡します。

ペット霊園から依頼する場合は、費用のなかに含まれていることがありますが、お寺に直接依頼する際は、大体2〜3万円のお布施を準備しておきましょう

あなたのことを忘れない!ペットのためのメモリアルグッズ

ペットと離れたくない、忘れたくないという思いから、メモリアルグッズが人気です。メモリアルグッズとは、亡くなったペットとの思い出を形に残したものです。

仏壇や骨壷などの仏具だけでなく、ペットの写真立てや時計などのグッズも人気。なかには、ペットの遺骨や毛を使って作るネックレスや指輪などのアクセサリーを作ってくれるところもあり、亡くなった後も大切なペットを近くで感じることができます。

引用:Twitter いつでもどこでも一緒

最愛のペットと同じお墓に入りたい

ペットと同じお墓に入れるのかどうか、疑問に思われる人も多いでしょう。ここでは、人とペットが同じお墓に入れるかどうかについて解説します。

宗派や法律が関わることもあるため、正しい方法が知りたいという人はぜひ参考にしてください。

人とペットは同じお墓に入れるの?

人とペットが同じお墓に入ることはできます。法律的にはペットはモノという扱いなので、写真や思い出の品を入れるように、遺骨をお墓のなかに入れるのも問題はないとされているからです。

ただ宗教的には、仏教だと人と動物は違う扱いを受けるという考えがあるため、宗派によっては一緒にお墓に入ることができないことも。法律的には問題ありませんが、宗教によってはお墓を分けなければいけない場合もあるので、霊園や一族に確認することが大切でしょう。

人のお墓にペットを入れることはできる?

自分や一族のお墓がすでにある場合、そこにペットの遺骨を入れるのは不可能ではありません。前述したとおり、ペットはモノという扱いなので、人のお墓に遺骨などを入れるのは法律的には問題ないからです。

ただ、墓地、埋葬等に関する法律によると、国民の宗教的考えに従うべきとされているので、すでに墓地がある場合は管理者に許可をとる必要があります。許可を得ずに勝手にペットの遺骨を入れた場合は、ペナルティが課されたり、契約を解除されたりすることも。

墓地管理者の承諾をもらってから、納骨するようにしましょう。

ペットのお墓に人が入ることは可能?

「先立ったペットのお墓に入りたい」と思われる人もいるかもしれません。人のお墓にペットが入ることはできますが、ペットのお墓に人が入ることは法律の関係でほぼ不可能です。

というのも人の場合は、墓地、埋葬に関する法律によると、法律を守っている霊園やお寺などで遺骨を埋葬しなければならないと決められています。しかし、ペット霊園は法律上で「墓地」に当てはまらない可能性があるため、人がペット霊園に入るのはNGとされているのです。

ペットと同じお墓に入れる霊園

ここでは、ペットと同じお墓に入れる下記3つの霊園を紹介します。

  • フラワーメモリアル国立府中
  • 法雲寺墓苑
  • 百合ヶ丘霊園

人のお墓にペットが入ることを禁止している霊園やお寺もあります。事前に知っておくことで霊園を探す手間が省けますので、ぜひ参考にしてください。

花に囲まれた明るい霊園!フラワーメモリアル国立府中【東京都】

所在地 東京都府中市四谷6-9-1
プラン名
  • ペット供養墓「ありがとう」
  • フラワージュ※ペット可能タイプ
費用
  • 22,000〜49,500円(税込)
  • 380,000円+190,000円(税込)
管理費(年間) なし

フラワーメモリアル国立府中は、霊園ながらもたくさんの花に囲まれた明るい雰囲気が特徴です。墓石の代わりに樹木を墓標にする樹木葬のプランだと、ペットと一緒に入ることができます。

ペットと一緒に入れるデザイン墓も!法雲寺墓苑【京都府】

所在地 京都府京都市北区西賀茂鎮守菴町33
プラン名
  • プレート墓タイプ
  • 完全安心プラン
  • memories with pets「Family」1.0聖地
費用
  • 680,000円〜(税込)
  • 1,260,000円(税込)
  • 1,450,000円~(税込)
管理費(年間) なし〜5,000円(税込)

法雲寺墓苑では、ペットと一緒に永代供養のお墓に入れるプランが充実しています。memories with pets「Family」プランだと、ペットの写真を墓石に彫刻することができるので、世界で1つのお墓を作ることが可能です。

3つの墓地タイプから選択可能!百合ヶ丘霊園【福岡県】

所在地 福岡県宗像市朝町238-6
プラン名 ディアペット
墓地タイプ
  • ガーデニング墓地
  • 緑地墓地
  • 芝生墓地
費用 937,000円〜(税込)
管理費(年間) 3,300円〜(税込)

ペットと一緒に入れる墓地を、3タイプから選択できます。またペットの納骨時期は、先でも後でも可能な点も魅力です。

最愛のペットと後悔しないお別れをするために

今回は、ペット葬儀の内容や今からできることを紹介しました。いつの日か来るであろう葬儀に向けて、今からできることは下記です。

  • 周辺でペット葬儀を取り扱っている斎場を調べておく
  • 葬儀費用の見積もりを出しておく
  • ペットと一緒に入れる霊園でお墓を作る

最愛のペットと後悔のないお別れをするためにも、ぜひこの記事を参考にしてください。