まとめ
  • 猫にとって適した冬の室温は25~26℃
  • 部屋の温めすぎは乾燥や脱水の原因になる
  • 描種や性格を踏まえ、安全に配慮した環境整備を

今年もいよいよ肌寒い季節がやってきました。人間もペットも安心して冬を過ごすためには、ペットの特徴に応じた防寒対策が必要です。とくに猫は砂漠をルーツに持つ生き物であることから、寒さに弱い描種が多い傾向にあります。

今回は、猫の寒さ対策のポイント・注意点などを紹介します。人間にとっては快適な室温でも、猫の体にとっては負担になっているかもしれません。適した防寒対策を取り入れ、安心して寒い季節を乗り越えましょう。

猫にとって快適な冬の室温は?

人間と猫にとっての快適な冬の室温は異なります。人間の場合は、17〜22℃程度が過ごしやすい室温です。しかし猫の場合はさらに高い室温が求められ、24〜26℃程度が適温です。

温度だけではなく、快適な湿度にもやや違いがあります。人間にとって適した冬の湿度は40〜50%程度ですが、猫には40〜60%が適しています。微妙な違いではありますが、乾燥しやすい冬の季節には湿度の下がりすぎに気を付けたいですね。

また短毛種か長毛種かによっても、適した温度・湿度が異なります。とくに長毛種は、湿度の上下によって毛玉ができやすくなることも。上記の数値を目安にしつつ、描種や被毛のタイプに応じて微調整していきましょう。

こんな仕草には注意!猫が寒がっているときのサイン

ここでは、猫が寒がっているときのサインを紹介します。猫は言葉で気持ちを伝えられないからこそ、態度や仕草で感情をアピールします。猫が教えてくれるサインに耳を傾け、快適な環境づくりに役立てましょう。

体を丸めてジッとしている・震えている

猫が寒さを感じているときには、人間と同じようにジッと耐えたり、震えて体温を上げようとしたりします。お気に入りのおやつやおもちゃを差し出しても反応が薄い場合や小刻みに震えている場合は、すぐに室温を調整してあげましょう。

窓や扉に近づこうとしない

外の世界に触れている窓や廊下と面している扉の付近は、部屋のなかでも温度が下がりやすいエリアです。猫が窓や扉に近づこうとしない場合は、室内が適温よりも下がっている可能性があります。

水を飲む量が減る

水を飲むと体温が下がる習性は、人間も猫も一緒です。食欲はあるのに水を飲まない場合は猫が寒さを感じている可能性があるため、室温を上げる・水を常温にするなどの対策をとりましょう。乾燥しやすい季節の水分不足は、脱水症状を引き起こすリスクもあります。

猫の寒さ対策の注意点

ここでは、猫の寒さ対策の注意点を紹介します。「可愛い愛猫が凍えないように」と考えると、ついお世話を焼きすぎてしまうことも。猫にとって過ごしやすい環境の条件を考えつつ、安全に配慮した空間づくりをしていきましょう。

子猫・老描は体温調節能力が低い

生後6ヵ月未満の子猫や7~8歳以降のシニア猫は、体温調節能力が低く寒さに弱い傾向にあります。とくに成猫からシニアへの移り変わりでは、猫の体質の変化に気づきにくい場合もあるでしょう。

水を飲む量や排泄物の様子の変化にも注目しながら、24〜26℃を基準に愛猫に適した室温に調整しましょう。寒さ対策はもちろん、部屋を温めすぎると暑くて苦しくなってしまうこともあります。

ヒーター・こたつによる低温火傷に注意

ヒーターやこたつは、人間にとって身近な防寒家電です。猫にとっても居心地がよくなるアイテムですが、長時間接触することで低温火傷になってしまう可能性があります。低温火傷はゆっくりと進行するため、異常に気づいたときには重症化してしまうケースも考えられるでしょう。

一般的な猫の場合は、44℃程度の暖房器具に3~4時間ほど接していると低温火傷のリスクが高まります。暖房器具を低温に設定するだけではなく、猫が同じ場所をずっと舐めていないかや、皮膚が赤くなっていないかなども確認しましょう。

火傷や事故を防止できる環境をつくる

猫の防寒対策では、火傷・けが・事故を防止できる環境をつくります。

・低めの温度設定

・常温の水の確保

・暑さ・寒さから逃げられる場所の確保

・コンセントのいたずら防止

・ヒーターやストーブへの接触防止

触ると熱い部分にはサークルをセットし、猫が直接触れないように空間を保持してください。コンセントにはペット用のカバーをつけたり、いたずら防止用スプレーを吹きかけたりする習慣をおすすめします。

安全な猫向け防寒グッズ・アイデア

ここでは、安全な猫向け防寒グッズ・アイデアを紹介します。猫の防寒対策において、けがや事故は身近な存在です。愛猫の性格や運動能力も加味したうえで、事故防止を兼ねた対策を取り入れましょう。

温風機

ヒーター部分が直接触れない温風機は、いたずら好きな猫や子猫でもけがをしにくく安心です。風量や温かさを調節しやすく、部屋の一部分だけを温めることも可能です。温風が吹いているエリアは乾燥しやすくなるため、猫が眠る場所に直接当たらないように配置しましょう。

湯たんぽ・遠赤外線ヒーター

湯たんぽや遠赤外線ヒーターのメリットは、電気を使わないため事故の可能性が少ないことです。さらに何度も繰り返し使えるため経済的なうえに、キャリーにも手軽に持ち込めます。冬の移動や通院時のためにも、1つは持っておきたいアイテムです。

カーペット用ヒーター

カーペット用ヒーターも、けがや事故のリスクが少ない点が魅力です。こたつの下にカーペット用ヒーターをセットすると、こたつ自体に電源を入れていなくても十分に温まります。人間用はもちろん、ペット用の小さいサイズも販売されています。

安全に配慮しつつ、愛猫とポカポカの冬を過ごそう

今回は、猫の冬の防寒対策を紹介しました。

猫は寒さに弱い生き物ですが、部屋を温めすぎると乾燥や脱水の危険性も増していきます。とくに水分不足は冬の室内飼育の課題です。水飲み場を複数用意したり、ペット用のフレーバーパウダーを水に混ぜたりなどの工夫を取り入れ、いつでも十分な水分を補給できるように心がけましょう。

寒い季節に飼主に寄り添う姿も、寒さを感じているサインかもしれません。時には「このままでいたい!」という気持ちをグッと堪え、猫が過ごしやすい環境を整えてくださいね。

 

以下の記事ではワンちゃんの寒さ対策についてまとめています。犬を飼育している人は本格的に寒くなる前に、ぜひ参考にしてください。

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