生き物の中には、赤ちゃんの頃は大人とまったく異なる模様、毛色などの見た目をしているものがいます。たとえば、ニワトリは赤ちゃんの時は黄色でふわふわですが、大人に成長すると白い羽になり、トサカが生えてきますね。今回は、ニワトリのように大人になると姿の変わる生き物の写真を集め、何の赤ちゃんなのかを考えるクイズにしてみました。全部で10問あるのでぜひ挑戦してみてください。

これは何の赤ちゃん?

それでは、ここからクイズのスタートです。簡単なものもあれば、大人の姿がまったく想像もつかない生き物もいるかもしれません。かなりの生き物好きの方にも楽しんでいただけるように少し珍しい動物もまじえています。それぞれの写真には簡単なヒントもつけていますので、参考にしてみてくださいね。

問題1.イノシシの赤ちゃん?

この赤ちゃんは、大人になると体の模様は消え、はっきりとした白黒になります。鼻先ももう少し伸びますよ。

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問題2.金色の赤ちゃん

お母さんとはまったく毛色が違うことがわかります。このサルの仲間を知っている方はかなりのサル好きですね。

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問題3.ふわふわすぎる赤ちゃん

こちらの赤ちゃんは有名ですね。真っ白な毛は雪の上で目立たないようにするための色だといわれています。

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問題4.灰色の赤ちゃん

大人の美しさに対して写真の通り灰色にくすんでいる赤ちゃんなので『みにくい〇〇〇の子』などと言われることも。

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問題5.何ペンギンでしょう?

この赤ちゃんは何というペンギンでしょう。ヒントは寒そうな土地と、親の足の間に赤ちゃんが挟まっていることです。

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問題6.ウーパールーパー?

ウーパールーパーにそっくりですね。それもそのはず、ウーパールーパーとこの生き物は同じ両生類です。

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問題7.がらりと姿を変える赤ちゃん

こちらの幼虫はさなぎになり、大人になるとまったく違う姿になる「完全変態」を行う昆虫の代表です。黄色いツノが特徴です。

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問題8.バッタではありません

こちらも大人になると完全に姿を変えます。ただし、こちらの赤ちゃんは、さなぎにはならない「不完全変態」を行います。

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問題9.見たことがあるかも

この赤ちゃんを見たことがある方も多いかもしれません。ぽっこりとしたお腹に注目です。

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問題10.極小な赤ちゃん

写真提供:鳥羽水族館

写真の上にあるスケール25目盛りで0.1mmです。顕微鏡でないと見ることができないような極小な赤ちゃんです。

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大人になるとなんで姿が変わるの?

多くの哺乳類は、赤ちゃんのうちは外敵に見つかりにくいような毛色や模様になっています。反対に、一部のサル類ではあえて目立つ姿にして、周囲の大人にケアしてもらいやすいようになっているという説もあります。両生類や昆虫のように生活の場が変わるため、姿が変わることもあります。それでは、クイズの答えを見ていきましょう。

答え1.ツートンカラーが特徴のマレーバク

答えはマレーバクです。

一問目から少し難しかったでしょうか。マレーバクは、生後半年くらいまで体に斑点模様があります。成長と共に模様はだんだんと薄くなり、大人になるとはっきりとした白黒模様になります。

この白黒模様は目立つように思えますが、辺りが暗くなると黒の部分が消え白の部分だけが浮かび上がるため、外敵に発見されにくくなるそうです。

答え2.まん丸の目が印象的なダスキールトン

答えはダスキールトンです。

ダスキールトンというサルを知らない方もいらっしゃるかもしれません。ダスキールトンは、目の周りが真っ白で個性的な顔立ちのサルです。

サルの分類において、ダスキールトンやファイヤールトン、フランソワルトンなどのルトンは、コロブス類という分類に入ります。コロブス類の赤ちゃんの多くは、このダスキールトンと同じように、金色や銀色などとても派手な色をしています。

答え3.潜水が得意なアザラシ

答えはアザラシです。

アザラシの赤ちゃんが真っ白で可愛いのはよく知られていますね。赤ちゃんの時の毛はたったの6~8週間程度で抜け初め、固い毛に生え変わりはじめます。

陸上ではゴロゴロしているイメージの強いアザラシですが、水中では潜ることが得意です。アシカなどが200m程度しか潜水できないのに対し、アザラシはなんと1500m近くもぐることができるといわれています。

答え4.子育てはペアで行うハクチョウ

答えはハクチョウです。

ハクチョウは、他の多くの鳥類と同じように、おとうさんとおかあさんのペアで子育てを行います。赤ちゃんは孵化直後はふわふわの羽で水に入ることもできません。成長すると親と一緒に水に入り餌の採り方などを学びます。

生後2~3ヶ月で飛べるようになりますが、灰色の羽が完全に親と同じような真っ白になるまでには2~3年かかるといわれています。

答え5.最も過酷な子育てをするコウテイペンギン

答えはコウテイペンギンです。

ペンギンというと南極に住んでいるイメージがありますが、実際に南極で生活するペンギンは、このコウテイペンギンとアデリーペンギンのみです。

中でもコウテイペンギンは、マイナス数十度にもなる冬の氷原で子育てを行うため『世界で最も過酷な子育てをする鳥』と言われることもあります。赤ちゃんを冷気から守るため、親は自分の足の間に挟んで温めます。

答え6.子どもと大人で住む場所が変わるイモリ

答えはイモリです。

カエルやイモリなどの両生類は、赤ちゃん時代はエラを使って水中生活を送ります。成長するとエラは体に吸収されてなくなり、肺呼吸で陸上生活を行います。

イモリの赤ちゃんもオタマジャクシと同様、孵化したばかりの時は手も足もありません。やがて手足が生えてエラが消えると大人の姿になります。

このように両生類が成長によって姿を変えることを「変態」と言います。

答え7.全く違う姿に変わるアゲハチョウ

答えはアゲハチョウです。

チョウの仲間は「幼虫→蛹→成虫」というように姿を変える「完全変態」昆虫の代表です。同じような変態をする昆虫には、カブトムシの仲間・ハエの仲間・ハチの仲間がいます。

アゲハ蝶の仲間の幼虫には「臭角(しゅうかく)」というツノがあります。このツノは、普段は皮膚の下に収納されており、危険を感じると出てきて刺激臭を分泌します。臭角からの臭いは、一度嗅ぐと忘れられない独特なものです。

答え8.子どもの時は水中で生活するトンボ

答えはトンボです。

トンボの赤ちゃんは「ヤゴ」と呼ばれ、水中で生活します。トンボの仲間は、完全変態昆虫のチョウの仲間などとは異なり、さなぎにならずに姿を変えます

このような変態を「不完全変態」と呼びます。

不完全変態昆虫には、トンボの仲間の他に、バッタの仲間やカメムシの仲間がいます。バッタなどは、あまり姿が変わらないまま大人になりますが、トンボは赤ちゃんと大人でがらりと変わります。

答え9.お弁当を持って生まれてくるメダカ

答えはメダカです。

一度は飼ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

卵から孵ったばかりのメダカの赤ちゃんのお腹には「ヨークサック」と呼ばれる袋のようなものがついています。

ヨークサックには栄養が詰まっていて、赤ちゃんは2~3日はヨークサックの中の栄養のみで生きることができます。魚類の多くは親が子育てをしない代わりに、このように赤ちゃんにお弁当を持たせてあげるのです。

答え10.大人になるとトゲトゲが!ウニ

答えはウニです。

メスのウニから産まれた卵は、海中でオスの精子と出会い受精します。受精卵が分裂すると「プルテウス幼生」と呼ばれる赤ちゃんになるのです。プルテウス幼生は海を漂い植物プランクトンを食べて成長します。その後、とげのたくさんある稚ウニへと成長し、大人の姿になります。

クイズの写真のウニは、カガミモチウニという種類のウニですが、答えの写真のウニは食用としてよく見ることのできるムラサキウニです。

見た目が変わるのには意味がある

いかがでしたでしょうか。何問くらいわかりましたか?上でも解説しましたが、それぞれの赤ちゃんにとって、大人と見た目が違うことには、さまざまな意味があります。全てが解明されているわけではありませんが、生き物の神秘を感じます。このような着眼点で生き物を観察してみるのも面白いかもしれません。