• ビルマニシキヘビは世界最大級の大型ヘビ
  • 夜行性のため夕方以降は近づかない
  • ビルマニシキヘビの頭にはさわらない
  • ふれあう時は頭の方から尻尾の方に撫でる

性格もおとなしく、体の模様が美しいことから、爬虫類愛好家の間で人気のビルマニシキヘビ。しかし大きくなると体長3〜7m、体重90kgにもなるといわれる世界最大級の大型ヘビです。

そのビルマニシキヘビの生態について、東武動物公園でビルマニシキヘビの飼育を担当している石山さんに聞いてみました!

ビルマニシキヘビってどんな生き物?

一般的なビルマニシキヘビの大きさとしてはオスは2〜4m、メスは3〜5mくらいですが、大型のものになると全長8,23mもの大きな個体も記録されています。毒はなく肉食で、寿命はおおよそ25年くらい。1回の産卵でおおよそ80個くらいの卵を産みます。

熱帯雨林や水辺に多く生息していますが、乾燥地帯に生息している個体もいます。

生まれてから若いうちは樹上で生活していますが、成長すると地上生活になります。大きくなるにつれ、体重も増えるため、木に登ることに無理が生じてくるようです。泳ぎも得意で、息継ぎなしで30分も水中にいられるといわれています。

ビルマニシキヘビの特徴とは?

ビルマニシキヘビはもともと熱帯雨林に主に生息しているため、暑い方が元気な生き物で、30℃くらいが適温。しかし35℃を超える温度もあまり好きではないようで、日陰や屋内に入ってしまうのだとか。また寒すぎると冬眠してしまうので、東武動物公園では暖房を入れて室温をあげることで冬眠させないようにしているそうです。

夜行性のため、昼間は寝ていることが多いようですが、完全に動かないということは少ないそうで、水を飲んだり移動したりといった姿が日中でもみられます。

視力には頼らない生活をしており、熱を感知して獲物を追ったり、舌に匂いを感じるセンサーがあり、それを使って食事をするそうです。

ビルマニシキヘビを飼育するときの注意点

ビルマニシキヘビはおおよそ月に1回脱皮をします。脱皮の途中でさわってしまうと脱皮不全を起こしてしまうので、脱皮をしている際にはさわらないように神経を遣うそうです。

だいたい脱皮は夜行われることが多く、一晩で脱皮は完了するそうで、体の色が白くなり始めたら脱皮の合図。脱皮が終わるまではさわらないように注意深く接します。

一番注意しているのは、午後3時以降はビルマニシキヘビの部屋には入らないこと。そう石山さんは話してくれました。

ビルマニシキヘビは夜行性のため、夕方以降に活発に活動を始めます。おとなしい性格のヘビですが、うっかりすると噛みつかれたり、巻きつかれたりして事故に繋がる恐れがあるため、このように決められているそうです。

ビルマニシキヘビって人になつくの?

「懐かないですね(笑)」石山さんは笑いながら話してくれました。性格は穏やかなので、慣れてくればさわらせてくれますが、やはりさわり過ぎはストレスに。相手を認識して態度が変わるということも無いそうです。

ビルマニシキヘビを飼いたい人へ

ビルマニシキヘビは体の模様が美しく、ペットとしても人気の爬虫類ですが、成長するとかなり大きくなります。

大きくなると飼育スペースもかなり広い場所を必要としますし、飼い方にきちんとした知識も必要です。寿命も25年前後と、ペットとしても長生きしてくれますから、きちんと最期まで責任を持って飼えるかどうか、飼う前にきちんと考える必要があります。

ペットとしては観賞用で、さわり過ぎるとストレスになり、かわいがるためのペットではありません。動きを眺めたり、模様の美しさを観賞したり、脱皮の様子などを観察する目的には適しています。小さな隙間からでも逃げ出すので、脱走対策は入念にしましょう。

湿度管理も大切で常時70%程度を必要とします。日本の場合は冬場の湿度管理は大変なので、その辺もしっかり考えておきましょう。

東武動物公園のビルマニシキヘビについて

東武動物公園というと、白い大きなヘビが有名です。しかもふれあうことができるという大変魅力的なコーナーもあるのです。この東武動物公園の名物ビルマニシキヘビについて、石山さんに詳しくお話を聞いてみました。

東武動物公園のビルマニシキヘビは2匹

東武動物公園には2匹のビルマニシキヘビがいます。

メスのフクちゃんは2000年生まれの23歳。全長約3m・35kg。幸運を呼ぶといわれる白ヘビです。独特の模様ではなく、美しい白と黄色の体色をしています。とてもおとなしい性格で、人にも慣れているので3月〜11月の間はふれあいの森でフクちゃんとふれあうことができます。

オスのコウくんは2022年の11月に仲間入りしました。まだ1歳なので3〜4年で成熟するビルマニシキヘビとしては赤ちゃんです。

体長も2mはまだないくらいで、体重も4kgを超えたくらい。まだ人とのふれあいはできないですが、近い将来はコウくんとふれあえる日がくることでしょう。

ビルマニシキヘビは何を食べているの?

ビルマニシキヘビの食事は冷凍のラットを解凍して温めたものや、鶏肉が多いそう。野生のヘビは卵なども食べるそうですが、口の中に傷がつくと餌を食べなくなって病気になってしまうので、東武動物公園では卵は与えないそうです。

フクちゃんは40日に1回・鶏肉を食べるそうで、コウくんはまだ赤ちゃんなのでもう少し頻度が高く、2週間に1回・ラットを食べているのだとか。

熱感知で獲物を認識するため温めることは大事で、熱に反応して近寄ってきて、舌にあるセンサーで匂いを感じて食事をする、という流れになるようです。

肥満になってしまうと病気の原因になるので、太り過ぎには注意をしていると石山さんは話してくれました。ビルマニシキヘビの理想的な体型は、胴を輪切りにした時に三角のおにぎり型になるくらいがちょうどよく、まん丸の胴は太り過ぎなのだといいます。

逆に痩せてくると背骨とあばら骨が浮き出てくるので、そうならないように餌を調整するそうです。

ビルマニシキヘビならではの飼育の苦労はありますか?

ふれあいイベントの時には、主に飼育員の体にヘビを巻きつけて移動するそうですが、日によってやる気がないと体に巻きついてくれないことがあるのだとか。そうすると運ぶのが大変になるのだそうです。35kgの大きな体のフクちゃんなので、

「できればやる気を出して体に巻きついて移動させてくれると助かるなあ」

と、石山さんは笑いながら話してくれました。

ビルマニシキヘビの見どころ・ふれあうときの注意点

ビルマニシキヘビの一番の魅力は、やはりその大きさと模様の美しさだと石山さんは話してくれました。特に東武動物公園のフクちゃんの白い姿は眺めているだけで幸運に恵まれそうですよね。

フクちゃんにさわる時に注意して欲しいことは、

  • 頭にさわらない
  • 撫でるときは頭の方から尻尾の方に向かって撫でる

この2点だそうです。さわるときには背中をさわることと、尻尾から頭の方へ逆撫でしないこと。ヘビの体は鱗に覆われており、鱗は頭から尻尾の方へ生えているため、逆撫でされるのはイヤがられてしまいます。

ビルマニシキヘビは寒さが苦手なため、ふれあえるのは3月からの暖かい期間。そのときにはヘビの柔らかくてしっとりとして、それでいてほんのりと暖かい、独特の感触をぜひ楽しんでほしいですね。

ビルマニシキヘビは穏やかな性格。でも夕方以降は注意

大きな体でも穏やかな性格のビルマニシキヘビ。東武動物公園のビルマニシキヘビの飼育担当・石山さんにお話を聞きました。

幸運の白ヘビ・フクちゃんと次にふれあえるのは3月からですが、もしふれあうチャンスに恵まれたら、この記事の内容を思い出して、フクちゃんに嫌われないふれあいタイムを満喫してください。

◆今回インタビューに答えてくれたのは

東武動物公園ふれあい動物の森担当 石山さん

シマウマ・キリン・ダチョウなどの飼育を3〜4年経験し、ワオキツネザルなどの飼育も担当。ふれあい動物の森の担当になって約1年。現在ビルマニシキヘビの飼育を担当している。

東武動物公園

所在地:埼玉県南埼玉郡宮代町須賀110

休園日6月の水曜日、元日、1月の火・水曜日、2月火・水・木曜日

入園料:大人1,800円・中人1,500円・小人800円・シニア1,100円

アクションパスセット:大大人5,100円・中人4,800円・小人3,800円・シニア3,800円

東武動物公園のアビシニアコロブスの飼育員さんのインタビューもぜひチェックしてみてください。

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