この記事は2024年7月時点の内容です。

まとめ
  • 保護猫を引き取る際は、その子の性格や特性に合わせた準備をしよう
  • 引き取りには条件が存在する。各施設や団体が公表している条件を確認しよう
  • 保護猫のなかには一生なつかない子や病気を持った子も。終生飼育が可能かを冷静に判断しよう


猫を飼いはじめる際には、おもに3つの選択肢があります。まずあげられる選択肢がペットショップからの購入。そして、ブリーダーからの購入。もう一つが、保護猫の引き取りです。昨今では保護猫カフェの拡大に伴い、保護猫を選択肢に入れる人も増加傾向にあります。

今回は、実際に保護猫を迎えた人のエピソードや、保護猫を迎える際のポイントなど紹介します。「猫を飼いたい」と思っている人や、保護猫の引き取りを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

保護猫エピソード1.殺処分を減らすために成猫をお迎え

@momonosuke0422さんは、オスの保護猫「もものすけ」君と暮らしています。もものすけ君との出会いはネットの保護猫里親募集サイトで、動物病院で保護されていた子を見に行ったのが始まりだったそう。

@momonosuke0422さん
@momonosuke0422さん
実家で動物を飼っていたこともあり、ずっと動物をお迎えしたいと思っていて。「殺処分を減らすことに少しでも貢献したい」との思いから、成猫の保護猫をお迎えしました。

子猫とは異なりお留守番ができること、性格がある程度わかっていることから、成猫にしました。

もものすけははじめ、警戒心が強くなかなかケージから出てこなかったんです。でも、トライアル4日目からは少しずつ撫でさせてくれるように。



▲トライアル中のもものすけ君の様子。少しずつ心を開いてくれました。

@momonosuke0422さん
@momonosuke0422さん
慣れてもらうために、はじめはもものすけ専用の部屋を用意して、人間が声をかけながら複数回出入りすることからスタートしました。徐々に回数を増やしたり、ドアを開けっ放しにしていると、少しずつ人間のいる生活に慣れてくれるようになったんです。

お出かけしていても家でもものすけが待ってくれていると思うだけで、帰り道の足取りも早くなります。もものすけが「このお家の子になれてよかった」と思ってくれていたら、それ以上に嬉しいことはありません。

保護猫エピソード2.ヤンチャな2匹のために安全管理を徹底

@perokazumiさんは、今年1歳と2歳の親子猫の「みみ」ちゃんと「たろ」君を引き取りました。元気いっぱいな年齢の猫を引き取るにあたって飼主さんがこだわったのは、徹底した安全管理だそう。

@perokazumiさん
@perokazumiさん
脱走してしまうのが怖かったので、大きめの脱走防止扉を用意しました。その後は危険な場所だと思った、キッチン棚や冷蔵庫にもワイヤーネットも設置。
そうしたら、いつのまにか自宅はワイヤーネットだらけになってしましました(笑)。

▲仲良くならんで夜風にあたる、親子猫のみみちゃんとたろ君。

@perokazumiさん
@perokazumiさん

ヤンチャな2匹ですが最初は警戒心が強く、近寄ると逃げてしまって……。でも、最近は自分から甘えてくれるようになりました!

保護猫は過酷な生活環境の中で生き抜いた子も多く、人慣れしてない子もいます。でも、たくさんの時間をかけて愛情を注いでいけば必ず気持ちは伝わると思います。

猫の引き取りでは、基本的には今までと同じ環境をそろえます。一方で、@perokazumiさんの場合は、最初は保護主さんと同じシステムトイレを用意しましたが、試しに砂タイプに変えてみたら楽しそうに掘り返してくれたのだとか。

猫の特性に合わせて環境を柔軟に変えることが大切なのだとわかるエピソードですね。

保護猫エピソード3.大怪我の状態で出会った2匹。今では元気いっぱいに!

@kurosukesaraさんは、黒猫の「さら」ちゃんとキジ白の「ひまわり」君と暮らしています。2匹はそれぞれ2016年と2022年に保護された猫で、お迎えの時には大怪我をしていたり瀕死の状態になっていたりしたそうです。

@kurosukesaraさん
@kurosukesaraさん
ある日猫を保護して、突然一緒に暮らすことになりました。はじめはぞれぞれ大怪我をしていた2匹でしたが、今ではとっても元気で活発です。
出会った頃が嘘のように、毎日賑やかな運動会を開催しています(笑)。

▲キジ白のひまわり君。今では毎日元気に遊んでいます!

もともとミニマリストの傾向があった@kurosukesaraさんでしたが、今では家の至る場所に猫用のおもちゃが転がる日々。2匹と一緒に、毎日幸せに暮らしているそうです。

保護猫を家族に迎えるには?

保護猫を家族に迎える方法は、大きく2種類存在しています。1つは行政(動物愛護センターや保健所)への応募、もう1つは民間の保護団体への応募です。

行政の場合は講習の予約が必須であり、指定日に動物愛護センターを訪れて受講します。受講後に譲渡候補の猫と対面し、気に入った子がいる場合は譲渡希望に申し込みましょう。他に希望者がいなければ譲渡が仮決定し、自治体が定めた譲渡料金やトライアル期間を確認したうえで引き取りになります。

民間の保護団体の場合は、譲渡会に参加したうえで里親に応募します。直接現地に足を運んでもよいですが、事前に団体のホームページで里子の候補を決めることも可能です。

民間では団体ごとの細かなルールが異なるため、行政と同様にトライアル期間や譲渡料金を確認しておきましょう。

行政・民間問わず、引き取りには一定の条件が定められます。たとえば、ペット可の物件に住んでいる、一人暮らしではない、迷子予防策をすることが約束できる、などがあげられます。まずは候補の団体を調べ、自分が条件に当てはまるかを調べることから始めてみましょう。

保護猫を飼うときに注意したい3つのこと

ここでは、保護猫を飼うときに注意したいポイントを紹介します。保護猫の育成は、ペットショップやブリーダーから購入した場合よりも困難が生じる可能性があります。保護猫ならではの特性を理解したうえで、引き取りを検討していきましょう。

1.覚悟

保護猫の飼育では、他のペットと同様に終生飼育への覚悟が求められます。また多くの保護猫は、過去に虐待されていたり野良猫生活が長かったりすることなどが原因で、ブリーダーのもとで繁殖された猫よりも警戒心が強い傾向にあります。

そのため生涯を通して人間に心を開かなかったり、引き取り後に病気が発覚したりする可能性も十分に考えられるでしょう。引き取りの際は自身のライフスタイルと照らし合わせ、最期の時まで世話を全うできるかを冷静に判断することが大切です。

2.費用

大手ペット保険会社「アニコム損保」によると、猫の生涯飼育にかかる費用は約240万円といわれています。もちろんこの数値は平均であり、介護や疾患などによってはさらに増加します。

「成猫を迎えたから費用はそれほどかからないだろう」と思っていても、思わぬ高額医療費が発生する可能性も。保護猫の引き取りでは、十分な貯蓄と経済面でのリスク管理が求められることを理解しておきましょう。

参考:猫との暮らし大百科(アニコム損保)「猫を飼うのにかかる費用は生涯(一生)でどれくらい?」

3.同居動物や人との相性

保護猫の引き取りでは、基本的に同居人の存在が必須です。引き取りの際には、同居人との話し合いやアレルギーの有無をしっかりと確認しておきましょう。トライアル期間は、自分だけではなく家族や同居人が猫と一緒に住めるかかを確かめる期間でもあります。

また同居動物との相性も重要なポイントです。とくに先住猫や先住犬がいる場合は、後入りの保護猫の存在が大きなストレスになってしまうケースも考えられます。「引き取りが難しい」と感じた場合は潔く諦めることも、動物愛護における一つの形なのです。

保護猫の飼育は簡単ではない。だからこそ、毎日の感動は他のものに代えられない!

今回は、保護猫を引き取った人の体験談や、保護猫を引き取る際のポイントを紹介しました。

他にも実際に保護猫を飼育している人からは、以下のような体験談をいただいています。

 
  • 半野良の子に出会い、今年13歳を迎えます。出会いに感謝です!
  • きちんと寄り添い、少しずつ理解してあげることが大切です。
  • 最初はケージからなかなか出てきませんでしたが、今ではリビングの真ん中で堂々とくつろいでいます。

 

保護猫は、過去につらい経験をしている子もいます。ペットショップやブリーダーの猫と比べ、ふられることを嫌がったり近づいたら逃げられてしまったりすることも多くあるでしょう。

急いで仲良くなろうとするのではなく、猫の気持ちやペースに寄り添いながら「ここは安全だよ」「もう大丈夫だよ」という気持ちを伝え続けることが大切です。気難しさや警戒心を持つ保護猫だからこそ、少しずつ育まれる絆の価値は、他には代えられないものとなるはずです。

画像提供:@momonosuke0422@perokazumi@kurosukesara

 

以下の記事では、里親になることもできる保護猫カフェのおすすめ5選を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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