この記事は2024年7月時点の内容です。

まとめ
  • 老いたペットの介護では、老犬・老描ホームやペット用デイサービスの選択肢がある
  • 預ける期間は、1日・1週間・1年・終生などからプランを選べる
  • 施設によってプランや環境は異なる
  • ペットの介護を1人で抱え込まずに、人間も動物も幸せになれる選択肢を探してみよう


ペットを飼育している限り、命のタイムリミットは避けられません。愛犬や愛猫に介護が必要な時期になると、日々さまざまな選択が迫られます。在宅介護以外の選択肢も知っておくことで、人間もペットも心身に余裕が持てる可能性もあるでしょう。

今回は、ペットに介護が必要になったときに役立つ老犬・老描ホームとペット用デイサービスについて紹介します。

ペットの介護方法や看取り方に正解はありません。老いたペットと後悔なく過ごせるように、幅広い選択肢について学んでいきましょう。

愛するペットが年老いたら…

人間と同様に、ペットも老いると介護が必要になります。年齢を重ねるとともに自力で歩けなくなったり、スムーズな排泄や散歩が難しくなってしまったり……。さらに体温調節機能や免疫力も下がることで、さまざまな病気を患いやすくなります。

寝返りを打てない状態だと、床ずれを防止するために定期的に家族が動かしてあげる必要もあります。ペットからしても、自分の体が思うように動かず、大きなストレスや不安を感じてしまうでしょう。

「ずっとペットに付いていてあげたい」とは思いつつも、仕事や家事があるなかで24時間一緒にいるのは難しいものですよね。

「残り少ない余生、ペットにはできる限り幸せに過ごしてほしい」「家族が家を空ける時間が多く、老犬・老描を長時間留守番させるのが心配」。そんなときに選択肢としてあがるのが、老犬・老描ホームとペット用デイサービスです。

老犬・老猫ホームとデイサービスとは?

ここでは、老犬・老描ホームとペット用デイサービスについて解説していきます。人間向けの介護と同じように、適切な施設の利用は決して悪いことではありません。施設やサービスの特徴を理解したうえで、実際に導入するかどうかを考えていきましょう。

老犬・老描を飼主の代わりにお世話してくれる施設・サービス

老犬・老描ホームは、飼主の代わりにペットのお世話をしてくれる施設です。施設によってプランが異なり、多くの施設が1ヶ月ごとの料金プランを設定しています。プラン次第では、デイリー利用や週ごとの利用も可能です。

以下に、施設ごとの老犬・老描ホームのシステム例を紹介します。

  • 自宅に近い環境での食事・排泄・運動のケア
  • 医療スタッフによる24時間体制の介護
  • ドッグトレーナーによる知的ゲーム
  • ドッグランの完備
  • リハビリトレーナーによるストレッチ・リハビリ
  • 今後シニア期を迎えるペットの相談
  • 夜間緊急時の医療連携
  • 他のペットとのコミュニケーション
  • 定期的な面会や一時帰宅
  • シャンプー・トリミング
  • 定期健診・ワクチン接種 など

細かなサービス内容や環境は施設によって異なるため、まずは自宅から無理なく送迎・面会ができる施設を調べ、ホームページを確認してみましょう。

老犬(老猫)ホームとデイサービスの違い

老犬・老描デイサービスはホームと異なり、可能な限り自宅で過ごすことを目的としている施設です。基本的には日帰りで預けるシステムで、飼主が離れている間もスタッフによって必要な介護に対応してもらえます。

おもなサービス内容は、老犬・老描ならではの給餌介助・排泄の手伝い・床ずれ防止のマッサージ・投薬などがあげられます。日帰りが前提のうえで、数ヶ月間のプランが用意されていることも。施設によっては、室内に飼主が入って一緒に過ごせる場合もあります。

ホーム・デイサービス利用の条件

老犬・老描ホームやデイサービスは、施設によってさまざまな利用条件があります。

  • 8歳以上である
  • 認知症を発症している
  • 身体に障害がある
  • 投薬が必要である
  • 入院が必要ではない
  • 入所金が必要 など

上記は一例であり、すべての施設に当てはまるわけではありません。しかし一般的にシニア犬と認識される7〜8歳に達していれば、多くの施設が利用対象になるようです。

施設によっては医療費が飼育費に含まれなかったり、中型・大型犬の場合は別料金が必要になったりする場合もあります。利用を検討している施設のホームページで、詳細を確認しておきましょう。

老犬・老猫ホームとデイサービスの料金

老犬・老描ホームやデイサービスの料金は、施設によってかなり幅広く設定されています。月3万円程度で預かってもらえる施設もあれば、月20万円以上の月額料金が必要になる場合もあります。

施設の料金は、立地・料金内に含まれるサービス・設備・人員・獣医師やドッグトレーナーの有無・ペットのサイズなどにより変動するものです。入所金や月謝が安い施設でも、医療費が別枠で設けられている場合は結果的に高額になる可能性もあります。

実際に利用する前に施設を見学しつつサービスの内容を質問し、料金と環境が見合っているのかを確認しましょう。

老犬・老猫ホームやデイサービスの探し方

老犬・老描ホームやデイサービスを探す際は、「〇〇(市区町村・最寄り駅・最寄り路線など) 老犬ホーム」のような形で検索してみましょう。

以下に、全国の老犬・老描ホームが記載されているリンクをご紹介します。住んでいる地域から検索し、無理なく送迎ができそうな施設を探してみてくださいね。

参考:老犬ケア「老犬ホーム特集」

参考:老犬ケア「老描ホーム特集」

老犬・老描ホームやデイサービス選びでは、距離や利用料金だけではなく、短期預かりの対応や面接時間を調べることも大切です。仕事が休みの日に窓口が空いているかや、要介護の症状に適したサービスが受けられるのかなども確認してください。

ホームやデイサービスに預けて、動物は幸せ?

ホームやデイサービスを利用する人には、おもに以下のような背景があります。

  • 飼主の体調状態に問題があり、満足のできるお世話がしにくい
  • 要介護のペットを留守番させるのが心配
  • ペットがいつ体調が急変するのかわからない
  • 老いたペットの介護に疲れ、心身が追い詰められてしまっている
  • 残りの余生は、常に身近に人やお友達がいる環境で過ごしてほしい
  • おもな飼育主の死亡・入院・海外転勤
  • 夜鳴きがひどく、生活に大きな支障が出てしまっている など

人間の介護と同じように、愛犬・愛猫がより幸せで安心できる環境で生活するために、あえて「預ける」を選択する場合があります。ペットの性格にもよりますが、一時的に預けることで心身のケアにつながる可能性もあるでしょう。

以下に、実際にホームやデイサービスを利用したことがある人の感想を紹介します。

  • 自力で歩けない老犬。施設なら、設備やスタッフさんのおかげでいつでも好きに移動できる。
  • スタッフさんが看てくれたので、寝たきりになるのを防げました。
  • 施設に預けたら、不思議なほど夜鳴きがなくなった。
  • 最初は会えなくて寂しかったけれど、ペットが幸せなら大丈夫です。
  • 平日のみ預かってもらっています。日々の様子を細かく報告してもらえるので安心。
  • 亡くなってしまうまでの間、スタッフさんたちには心のこもったお世話をしていただきました。心から感謝しています。

ペットは人間の言葉を話せないからこそ、預けている間の愛犬・愛猫の様子や変化から、継続的に利用するべきかを決めていきたいですね。

また、自宅から離れることがペットの安全につながる場合でも、施設のスタッフや環境との相性が悪い可能性もあります。まずは1日や1週間など短期間の預かりを試したうえで、中長期的な利用を検討してみてください。

老犬・老描ホームやデイサービスは、ペットと飼主の心身を助ける選択肢

今回は、老犬・老描ホームやデイサービスについて紹介しました。

「ペットを施設に預けるのは可哀相」「必ず家で看取ってあげたい」。そんな気持ちももちろんペットへの愛情の形です。しかし飼主のなかには、度重なる夜鳴きや四六時中の介護に疲弊し、生活のために必要な体力や精神的な余裕を失ってしまうケースもあります。

本来であれば、万が一のことを考えたうえでペットを飼育することが飼主の責務です。とはいえ、人生は何が起こるかわからないもの。介護がつらくて眠れず、飼主が自身の生活を維持できなくなってしまったら、ペットの健康どころではなくなってしまいます。

飼主が健康だからこそ、ペットを十分に看るための精神的・体力的・金銭的余裕が生まれるのです。

また想定よりも要介護の症状が重く、日中のお留守番すら難しい場合もあるでしょう。飼主やペットが安全に暮らすためには、老犬・老描ホームやデイサービスも有効な手段の一つです。

老犬・老描ホームやデイサービスは、家での介護に問題がなければ利用する必要はありません。しかし「心や体が追い詰められてしまいそう」「ペットに家よりも安全な環境にいてほしい」と考えている人は、ぜひ一度施設の利用を前向きに検討してみてください。

以下の記事では、ワンちゃんや猫ちゃんの寿命や年齢に応じたケアなどを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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