まとめ
  • モルモットは、臆病さと穏やかさを併せ持った生き物
  • 愛情を持って接することで、自分から甘えてくれるようになる
  • グッズ選びではアレルギーや誤飲に配慮する
  • 飼育前に、モルモットを診察できる動物病院を調べておこう

ハムスターやウサギ、リスやフェレット。昨今では、犬や猫以外のペット=エキゾチックアニマルの人気も拡大しています。

今回は、数あるエキゾチックアニマルのなかでも注目の『モルモット』について紹介します。「名前は知っているけれど、どんな動物かはよく分からない」という人はもちろん、モルモットの飼育を検討している人も、ぜひ参考にしてください。

モルモットってどんな動物?飼育準備の前に学ぼう!

ここでは、モルモットの基本的な生態や性格について紹介します。同じ齧歯類でも、ハムスターとは習性も寿命も大きさも異なるモルモット。モルモットならではの特徴を学び、快適に生活ができるように環境を整えていきましょう。

モルモットはなつく?穏やかで冒険好きな性格!

モルモットは、警戒心の高さと穏やかさを併せ持った動物です。基本的には臆病であり、大きな物音や過剰なスキンシップを苦手とします。しかし愛情を持って接することで、自分から抱っこを求めたり甘えたりなどの姿を見せてくれます。

齧歯類のなかでは比較的頭が良いとされ、自分の名前を呼ばれることを理解できます。「安心できる環境だ」と感じてくれれば、持ち前の穏やかでフレンドリーな性質を見せてくれます。また好奇心旺盛で冒険好きな一面もあるため、室内散歩や遊びも大好きです。

モルモットの体重・寿命

モルモットの平均体重は、0.9~1.2kgです。個体によってバラつきがあるため、実際にショップやブリーダーに足を運んでチェックできると安心です。平均寿命は約6年と齧歯類のなかでは長いですが、3歳を超えたあたりから老化の兆候が見られる傾向があります。

モルモットの代表的な種類

モルモットは、大きく分けて12種類に分類されます。日本のペットショップやブリーダーでよく見かける種類は、以下の3つです。

  • イングリッシュモルモット……社交的で甘えん坊。短く硬い被毛が特徴。
  • クレステッドモルモット……臆病で人見知り。独特のつむじ(ロゼット)が特徴。
  • テディモルモット……寂しがり屋で控えめ。縮れた被毛が特徴。

迎え入れる子を選ぶ際は、種類ごとの特徴だけではなく、個体ごとの性格の違いを確認することも大切です。

モルモットの飼育に必要な環境

モルモットにとって適切な室温は18~24℃、湿度は40~60%といわれています。とくに夏場・冬場は家電やペット用品を活用し、飼育環境を整えましょう。またハムスターとは異なり昼行性のため、夜は暗く静かにできる環境をつくります。

モルモットは基本的に臆病な生き物です。驚かせたり大きな音が響いたりするとストレスの原因になります。音楽を流す部屋や窓からはケージを離し、静かな場所に設置しましょう。また運動不足をケアするために、安全が確保された「室内散歩エリア」をつくると安心です。

モルモットの飼い方は?必要なもの一覧

ここでは、モルモットを飼育する際に必要なものを紹介します。昨今ではモルモットの人気が広まり、初心者向けのスターターキットも販売されています。店員やブリーダーとも相談しながら、モルモットが快適に過ごせる環境を整えていきましょう。

ケージ

モルモットのケージは、奥行40cm前後、高さ25cm以上のものを選ぶと安心です。多少大きくても困ることはありませんので、個体の大きさによって調整しましょう。設置の際は直射日光を避け、家の中でも物音がしにくい場所を選んでください。

新聞紙・ペットシーツ

モルモットは、個体によってトイレを覚えられない子もいます。床材とは別に、新聞紙やペットシーツを設置することで日頃のお世話が容易になります。ただし新聞紙やペットシーツを食べてしまう場合は、すぐに使用をやめましょう

床材・木製チップ

モルモットの快適な生活のために、床材と木製チップは欠かせません。どちらも保温性や吸湿性に優れた素材が好ましいとされています。

床材では、ペットシーツに敷き牧草を乗せたものや、牧草のみ、すのこなどが一般的です。個体のサイズや性質に合わせ、適した床材に変更していきましょう。

牧草・ペレット

牧草は、モルモットの主食かつ床材にもなる必需品です。硬い牧草を選ぶことで、モルモットの歯の伸びすぎを防げます。またモルモットは体内でビタミンCを合成できないため、ビタミンが添加されたペレットを選ぶことで栄養面をカバーできるでしょう。

モルモットを飼育する時のポイント

ここでは、モルモットを飼育する時のポイントを紹介します。初めてのモルモットの飼育では不安なことが沢山ありますよね。飼育書や獣医師への相談も活用しながら、個体ごとに適した飼育方法を見つけていきましょう。

基本的には単体飼育が推奨される

モルモットは、本来群れを成して生活する生き物です。そのため多頭飼育自体は可能ですが、餌・排便・排尿量の管理が困難になります。

また(とくにメス同士は)仲良くなれずにケンカをしてしまうことも。以上の理由から、飼育に慣れるまでは単体飼育が推奨されます。

果物や野菜はおやつとして与える

モルモットの餌はペレットや牧草だけでも十分ですが、おやつとして果物や野菜も与えられます。与えすぎは体調不良の原因になるため、リンゴ・バナナ・キャベツ・ニンジン・キュウリなどの安全な食材を少量ずつ与えましょう。

気分転換には、一部の洗った野草も与えてOK

モルモットには、一部の野草もおやつとして与えられます。身近なものでは、タンポポ・ナズナ・オオバコなどが代表的な与えられる野草です。

与える際はしっかりと洗い、果物と同様に少量ずつおやつとして与えましょう。野草は、コンディションが優れなさそうな日の気分転換としても推奨されます。

ブラッシングで汚れや皮膚炎を予防しよう

モルモットの飼育では、健康ケア兼スキンシップのために、定期的なブラッシングが必要です。ブラッシングでは毛並みを整えるだけではなく、臭い・汚れ・毛玉の防止もできます。とくに長毛種の場合、毛玉防止のために毎日のブラッシングを心がけましょう。

初心者がモルモットを飼うときの注意点

ここでは、初心者がモルモットを飼育する際の注意点を紹介します。とくにモルモットの体調に違和感を抱いた場合は、自己判断は避けるべきです。なるべく早い段階での動物病院の受診を前提としたうえで、平常時にできることを学びましょう。

診察してもらえる動物病院を調べる

モルモットを飼育する前には、自宅から通える動物病院を調べてください。犬や猫と比べ、モルモットの診察を受け付けている動物病院は少ない傾向にあります。現実的に通える距離に病院がない場合は、飼育を一旦見送るのも一つの選択です。

牧草や床材のアレルギーをチェックする

飼育に必要な牧草や床材は、モルモットにとっても人間にとってもアレルギーを発生させるリスクがあります。牧草や床材はあらかじめ候補を複数用意しておくと、もしもの場合にも安心です。

中毒になる食材を把握する

モルモットは、一部の果物や野菜を食べられます。だからこそ、中毒になる食材を与えないように事前に把握しておきましょう。

代表的な食材として、アボカド・ネギ類・ニンニク・生の豆などがあげられます。迷ったらあげない」を徹底し、確実に安全な食材だけを選びましょう。

モルモットは小動物デビューにもおすすめ!

今回は、モルモットの生態の特徴や、初心者向けの飼育方法などを紹介しました。

小さく愛らしい姿で私たちを楽しませてくれるモルモットは、初めてのペットや小動物デビューにもおすすめの生き物です。餌代・光熱費・治療費など長期的に発生するコストを把握したうえで、ぜひ新しい家族として検討してみてください。

 

また地震大国である日本でモルモットを飼育する際は、ペットと被災したときの対処法についても学ぶ必要があります。下記の記事では、モルモットを含む小動物の防災情報についてまとめていますので、本記事と合わせて参考にしてください。

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