まとめ
  • 小型犬は寿命が長く、大型犬は小型犬に比べると寿命が短い傾向がある
  • メスは避妊すれば寿命が1.7歳延びる
  • 適切な飼い方をすれば、愛犬を長生きさせられる

近年、医療の発展や健康状態に合ったドッグフードが販売されていることにより、人間と同じように犬の平均寿命も延びているといわれています。ただ、犬は人と比べると成長スピードも早く、一緒に過ごせる時間はあっという間に過ぎるでしょう。

この記事では、大きさ別の犬の平均寿命や、愛犬に長生きしてもらう方法について解説します。愛犬の平均寿命を知って、かけがえのない時間を大切に過ごすためにもぜひ参考にしてください。

犬は大きさによって平均寿命が違う

犬の平均寿命について、気になる人も多いでしょう。一般社団法人ペットフード協会の「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」によると、犬の平均寿命は14.76歳という結果が出ました。

平均寿命は犬の大きさごとに異なっており、それぞれ以下のようなデータが報告されています。

  • 超小型犬(4kg以下):15.31歳
  • 小型犬(4〜10kg):14.28歳
  • 中型・大型犬(10kg以上):13.81歳

小さい犬種ほど寿命が長く、体が大きい犬ほど寿命が短い傾向です。

参考:令和4年 全国犬猫飼育実態調査

体重ごとの平均寿命分析

体重が4kg以下の超小型犬が15.31歳と最も寿命が長く、10kg以上の中型・大型犬の寿命が13.81歳と1.50歳の差があることがわかっています。犬の平均寿命には体の大きさが関係しているようです。

またMIX犬や雑種犬は、チワワや柴犬などの純血種より体が丈夫で平均寿命が長いといわれることもあります。ただ、純血種である柴犬の平均寿命が14.8歳なので、純血かMIXかはあまり関係がないといえるでしょう。

参考:アニコム 家庭どうぶつ白書 2022

どうして大型犬は寿命が短くなりやすいのか

大きい犬ほど老化スピードが早く、寿命が短い傾向にありますが、犬のサイズが平均寿命にどのように関係しているのか、はっきりとした仕組みはまだわかっていません。

一般的に大型犬の寿命が短くなるのは、以下3つが関係しているといわれています。

  • 細胞分裂の回数が多い
  • 臓器比率が異なる
  • 遺伝子が異なる

大型犬は細胞分裂の回数が多いため、がん細胞の発生確率が高くなるというような病気のリスクが小型犬より高いといわれています。

また体の大きさに比べて臓器が小さいため日常の負担が大きかったり、成長ホルモンの一種である『IGF-1因子』を多く分泌する遺伝子を持っていたりすることも関係しているようです。

オスとメスで平均寿命に違いはある?

人間であれば女性のほうが長生きする傾向ですが、犬の場合はオスとメスで平均寿命の差はあまりないといわれています。ただ、メスの場合は避妊手術をすることによる、寿命の延び方に違いがあるようです。

アメリカで2万頭超の犬を対象におこなわれた調査によると、避妊・去勢手術を受けている犬と受けていない犬では、平均寿命に以下のような差がありました。

  • 去勢オス:15.0歳
  • 未去勢オス:15.2歳
  • 避妊メス:15.8歳
  • 未避妊メス:14.1歳

オスは去勢の有無による寿命の差はほとんどありませんが、メスの場合は避妊することで1.7歳の差があることがわかります。

大きさ・犬種別のなりやすい病気

犬の大きさや犬種によって、かかりやすい病気が異なります。小型犬だと、ひざの皿である膝蓋骨(しつがいこつ)が外れてしまう、膝蓋骨脱臼を起こしやすいといわれています。

中型犬だと犬種によって違いはありますが、たとえばコーギーは椎間板ヘルニア、柴犬は白内障やアトピー性皮膚炎を発症しやすい傾向です。また、大型犬は特に股関節のかみ合わせが悪くなりやすいため、股関節形成不全になりやすいといわれています。

犬の死因とその対策について

日本アニマル倶楽部の「犬・猫 死亡原因病気TOP10」によると、病気による犬の死因で最も多いのが、

  • がん(57%)
  • 心臓病(17%)
  • 腎不全(7%)

とわかりました。

愛犬ががんを含め、病気で亡くならないようにするには飼主による日常的なチェックが欠かせません。犬は人の何倍もの速さで歳をとるため、思ったより病気の進行が早いこともあります。

愛犬の変化にすぐ気づくために、定期的に体を触ったり、食欲や行動を観察したりして早期発見ができるよう心がけるのが大切です。

愛犬を長生きさせるための方法

犬を飼っている方は、愛犬にいつまでも元気で長生きしてほしいと思いますよね。ここでは、愛犬を長生きさせるための方法について紹介します。

大切な家族である愛犬とできるだけ長く一緒にいたいという人は、ぜひ参考にしてください。

室内飼いをする

犬を外飼いする人もいますが、室内飼いしたほうが長生きする傾向です。室内だと虫などによる感染症や、暑さ・寒さによるストレス、体調への悪影響を避けられます。

また、犬と人が生活空間を同じにして暮らしていれば、ちょっとした異変にもすぐ気づくことが可能です。実際、外飼いしている犬より室内で飼っている犬のほうが2〜3年長生きするといわれています。

昔は外飼いをしている人をよく見かけましたが、年々犬の健康を踏まえて飼い方も変化しているようです。

健康な食事と運動

人と同じく、犬も長生きするためには健康的な食事と運動は必須です。

安いからといって添加物がたくさん含まれているフードをあげ続けていると、内臓や皮膚に悪影響が及ぶ可能性もあります。

最近ではアレルギー対応のものや、シニア用など犬の年齢や体質に合うドッグフードが多数販売されているため、愛犬の体に合うものを選ぶのが大切です。

また散歩や室内での運動など、適度な運動も犬の健康に効果的です。適切な運動量は個体差がありますが、散歩時間は以下を目安にするといいでしょう。

  • 小型犬:1日15分×2回
  • 中型犬:1日20分×2回
  • 大型犬:1日30分×2回

体力がある場合は目安より長めに散歩したり、夏場は時間を短めにしたりなど状況によって変えたほうがいい場合もあります。

適切な医療を受けさせる

愛犬を長生きさせるために、適切な医療を受けさせるのも大切です。症状が現れたときや予防接種のときだけ病院に行くのではなく、定期検診を受けるのがいいでしょう。目に見えない症状の早期発見につながったり、犬が病院に慣れたりするメリットがあります。

その際、かかりつけ医を決めておくと安心です。何度も通っているとカルテが充実するため、早期発見〜治療までスムーズに進められます。

普段と同じ獣医さんであれば犬のストレス緩和にもつながるので、相性のいい動物病院を見つけてみてください。

避妊・去勢手術の必要性

若いうちに避妊・去勢をすることで、愛犬の健康につながります。避妊・去勢手術をすることのメリットは、以下のとおりです。

  • 生殖器系の病気を予防できる
  • 発情期のストレスや問題行動がなくなる
  • 多頭飼育崩壊を防げる

ただ避妊・去勢手術は麻酔を使うため体に負担がかかることもあり、若いうちに受けるのがおすすめです。一般的に生後6ヶ月前後に受けるのがいいといわれていますが、不安な人は獣医さんに相談してみてください。

適切な人間との距離感

飼主が犬の習性を理解して、適切な距離感を保つことも大切です。たとえば可愛いからといって、愛犬が寝ているときや食事中に触りすぎると、犬にとってはストレスになることもあります。

逆に無視しすぎると「なにをいっても意味がない」と、飼主に対する信頼を失うことも。犬は人と違う生き物だと理解して、適切な接し方を身につけることで、お互いストレスなく快適に過ごせるでしょう。

適切な飼い方をして、愛犬に長生きしてもらおう!

この記事では、大きさ別の犬の平均寿命や、愛犬に長生きしてもらう方法について解説しました。医療の発展や室内飼いが増えたことで、犬の平均寿命は年々長くなっています。しかし、人と比べると犬の寿命は5分の1以下です。

日頃から散歩をしたり、健康的なドッグフードをあげたりして、大切な愛犬と長く一緒にいられる工夫をしてみてくださいね。

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