まとめ
  • 犬の爪を放置するとケガの原因になる
  • 犬の爪を切る頻度は「月に1〜2回」
  • 床に爪が当たって、カチカチ音がしていないか確認する
  • 犬の爪切りは血管を傷つけないよう注意が必要

犬は猫のように爪とぎをしないため、何もしないと爪は伸び続けます。伸びてくるたび、動物病院で切ってもらうのは犬のストレスにもなるし、飼主の負担にもなりますよね。

そこでこの記事では、初心者でもできる犬の正しい爪切り方法を6ステップで解説します。間違ったやり方で爪切りをすると、愛犬を傷つけてしまいかねないので、ぜひ参考にしてみてください。

犬の爪切りが必要な理由とは?

人の爪のように、犬の爪も切らなければどんどん伸び続けます。爪が伸びていると、犬が体を掻いているときに皮膚を傷つけたり、愛犬と遊んでいるとちょっと引っ搔かれただけで飼主の肌が切れたりすることも。

よく散歩に行く犬であれば地面で爪が削れるため、高頻度の爪切りが必要ない場合もあります。ただ、5本ある爪がすべて綺麗に削れるわけではないので、ほかの部分より伸びている爪がないかチェックするようにしましょう。

特に「狼爪(ろうそう)」と呼ばれる地面につかない爪は散歩では削れにくいので、定期的に切ってあげてください。

犬の爪を切る頻度は半月〜1ヶ月に1回

犬の爪切りの頻度は、半月に1回、もしくは1ヶ月に1回が目安です。愛犬の散歩回数が多ければ、道路や土で爪が削れるので月1回程度でよいでしょう。あまり散歩に行かない、室内で過ごすことが多いという愛犬であれば、爪が削れることが少ないので月に2回の爪切りを目安にしてみてください。

犬に爪切りが必要な3つのタイミング

犬の爪切りをしたほうがいいタイミング3つを紹介します。

  • 爪がよく引っかかっているとき
  • 床に爪が当たってカチカチ音がするとき
  • 爪が肉球に当たっているとき

愛犬が当てはまっていないか、確認してみてください。

1.爪がよく引っかかっているとき

犬の爪がカーペットや服によく引っかかっているなら、爪切りが必要な可能性が高いです。室内飼いの場合、部屋には爪が引っかかりやすい布製品がたくさんあります。また、外でも道路のちょっとした段差や隙間など、爪が引っかかりやすい場所は多いです。

もし伸びた爪が引っかかると犬は焦って脚を上げて取ろうとするため、爪が根元から抜けたり、割れたりすることも。そうなるとかなりの痛みや血が出てしまうので、引っかかっているなと感じたら、爪切りを行うようにしましょう。

2.床に爪が当たってカチカチ音がするとき

また、床に爪が当たって、カチカチ音がしているなら爪切りが必要なサインです。ちゃんと爪が切れていれば、犬が立ったときに爪の先が床につきません。

犬がフローリングを歩いているときに、爪の音が聞こえていると伸びている証拠なので、カチカチ鳴っていないか確認してみてください。

3.爪が肉球に当たっているとき

犬の爪を長く切っていない場合、肉球に爪が刺さってしまうこともあります。犬の爪は円を描くように、肉球に向かって伸びるためです。特に5本目の狼爪(ろうそう)は散歩では削れにくいので、気づかずに伸び過ぎていることも。

爪切りは忘れやすいケアなので、爪が知らぬ間に伸びて肉球を傷つけていないか、定期的なチェックを行うようにしましょう

自宅で犬の爪を切る際の6ステップ

「自分で愛犬の爪を切りたいけどうまく切れるか不安…」という人に向けて、初心者でもできる爪切りの方法6ステップを紹介します。

  • 犬用の爪切りを用意する
  • 低いテーブルの上に乗せる
  • 血管を確認する
  • 脇で犬の体を挟んで脚を上げる
  • 肉球を押して爪をしっかり出してから切る
  • たくさん褒めてあげる

爪切りは毎月必要なケアなので、マスターしたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

ステップ1.犬用の爪切りを用意する

まず、犬用の爪切りを用意しましょう。犬用爪切りには、主にニッパー・ギロチン・ハサミの3タイプがあるため、使いやすいものを選ぶのが大切です。

人間用爪切りで代用できないかと考える人もいるかと思いますが、犬の爪は丸くて太いので、人用の爪切りでは爪が挟めない場合が多いです。また、人用の爪切りは両端が尖っている商品が多く、犬の肉球を傷つける危険があります。

そのため、愛犬のために犬用の爪切りを用意するようにしましょう。

ステップ2.低いテーブルの上に乗せる

犬用爪切りが準備できたら、低めのテーブルに愛犬を乗せます。高いテーブルだと、犬が暴れたり怖がったりして落ちたときに、怪我をする可能性が高いです。

30〜40cmの高さから落ちて骨折することもあるので、できるだけ高すぎないテーブルを使うようにしましょう。

ステップ3.血管を確認する

爪が白い犬の場合、血管の位置がわかりやすいです。光に透かすと爪の中に、うっすらピンク色の血管が見えてきます。

血管の手前までどれくらい切れるかを、しっかり確認しておきましょう。

爪が黒い犬の場合

爪が黒い犬だと、血管の位置がわかりづらいです。黒くて血管がわからない場合は、ちょっとずつ手探りで爪を切る必要があります。

血管に近くないときの爪の断面は白く乾いていて、血管が近くなるとグレーっぽい湿った断面になります。ただし、ほとんどわからない程度の違いで、犬によっては全くわからない場合もあります。

愛犬が黒い爪の場合は難易度が上がるので、動物病院で切ってもらって、どのくらい切ればいいのか確認したり、写真に撮ったりしておくと安心です。

ステップ4.脇で犬の体を挟んで脚を上げる

犬がテーブルから落ちないよう、犬と反対の方向を向いて脇で愛犬の体をしっかり挟みます。そして、脚を後ろ向きに上げます。

わかりやすくいうと、人が手を地面についたときの角度と反対方向に向けて上げてください。後ろ向きに上げることで、血管を傷つけにくい角度で爪切りができます

ステップ5.肉球を押して爪をしっかり出してから切る

肉球をプニッと押すと爪が出てくるので、血管を傷つけないよう確認しながら切りましょう。コツは一気に切るのではなく、角度を変えながら少しずつ切ることです。

また血管ギリギリを攻めると、血が出てしまう可能性が高いので、血管から数ミリ手前までに留めておくのがおすすめ。もし血が出た場合、ティッシュやコットンを当てて1〜2分押さえて待ちましょう。

それでも、なかなか血が止まらなかったり、愛犬が痛がっていたりする場合は、動物病院に連れて行ってあげてください。

ステップ6.たくさん褒めてあげる

爪切りが終わったら、愛犬にご褒美のおやつを与え、たくさん褒めてあげましょう。犬からしたら爪切りは嫌な行為なので、できるだけいい思い出になるようにすぐにおやつをあげましょう。「えらい」「頑張ったね」などの褒め言葉もかけて「爪切りをするといいことがある」と覚えてもらいましょう。

「爪切りをしたあとはいいことがある」と犬に認識してもらうことができれば、今後の爪切りの負担が減るはずです。

重くてなかなか持ち上げられない大型犬の爪切りは?

大型犬の爪は太くて大きいので、切るのに時間がかかっていると暴れたり、嫌がったりすることもあります。ギロチンタイプのように、できるだけ切れ味のいい爪切りでスパッと素早く切ってあげるのがおすすめです。

「血管を傷つけそうで怖い…」という人は、爪やすりで少しずつ削ってあげると失敗する可能性が低いので試してみてください。

犬用爪切り3種類

最後に、犬用爪切りの主な3種類をそれぞれの特徴を踏まえて解説していきます。

  • ニッパータイプ
  • ギロチンタイプ
  • ハサミタイプ

犬用爪切りを持っていなくて、どれを買おうか悩んでいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。

1.ニッパータイプ|初心者でも使いやすい

爪切り初心者は、ニッパータイプがおすすめです。パチパチ素早く切れるので、爪切りに慣れていない愛犬でもストレスを感じにくいでしょう。切れ味がよすぎると切りすぎてしまう危険がありますが、ニッパータイプは切れ味がほどほどなので、愛犬を傷つける可能性も少ないです。

2.ギロチンタイプ|切れ味がいい

トリマーが使っている商品でもあるギロチンタイプは、爪切りに慣れている飼主や愛犬におすすめです。軽い力でもスパッと切れるので、爪が太い犬や大型犬の爪も楽に切れます。ただ、爪切りに不慣れな人が使うと血管を傷つけてしまうなど、危険な場合もあるので注意しましょう。

3.ハサミタイプ|小さい犬におすすめ

ハサミタイプの爪切りは、小ぶりな商品が多いので子犬や小型犬の爪切りに向いています指2本で爪を切るので力が入りにくく、切れ味がいいとはいえません。ただ普段使い慣れたハサミの形状なので、子犬用に使いやすい爪切りを探している人にはぴったりでしょう。

毎月の爪切りで愛犬を怪我から守ろう!

この記事では、犬の正しい爪切り方法を6ステップに分けて解説しました。犬の爪切りは、散歩の頻度にもよりますが月1〜2回ほど必要です。

放置していると愛犬も飼主も怪我をしてしまう可能性があるので、使いやすい爪切りを購入して、定期的にケアしてあげるようにしましょう。また、犬が嫌がって爪が切りにくい場合は、動物病院に行って切ってもらうと安心です。

 

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