まとめ
  • 金魚は鑑賞目的として人が作り出した淡水魚
  • 野生に返すと元のフナに先祖返りしてしまう
  • 体の大きさの割に寿命は長く、10〜15年
  • 金魚を大きく育てたいなら、水槽は大きめに

「日本らしい生き物」と聞いて、何を連想しますか?

柴犬やニホンザル、ムササビ、ツル、トキ……。さまざまな生き物を思い浮かべるかもしれませんが、その中でも日本の風物詩の代名詞ともいえるのが金魚です。

今、静かなブームが到来している金魚たち。今回は、そんな金魚の生態や歴史、実際に金魚を飼育する方法などを紹介します。

この記事を通して、金魚の魅力をさらに知ってくださいね!

知っているようで意外と知らない金魚ってどんな生き物?

金魚といえばお祭り!というイメージを持つかもしれませんが、金魚は一年を通して安定した人気のある生き物です。

昨今では水族館に美しく展示される機会も増え、改めてその魅力が注目されています。ここでは、金魚の生態や歴史について紹介します。

金魚ってどんな魚?

金魚は、突然変異したフナを交配し、観賞目的に人為的に生み出された淡水魚です。見た目の美しさだけではなく飼育も比較的簡単であることから、日本のみならず世界中で親しまれています。

▼金魚の分類

動物界
脊索動物門
条鰭綱
コイ目
コイ科
フナ属
種類 キンギョ

金魚は主に水草や藻を食べながら生息し、一般的には30cm程度まで成長します。

バリエーションに富んだ形態は、ほぼすべて人為的に創り出されたものであるため、野生に返すと元のフナに先祖返りしてしまう傾向に。

そのため金魚の品種を保つためには、人の手による継続的な養殖や環境の維持が必要不可欠なのです。

金魚っていつから日本にいるの?

日本のイメージが強い金魚ですが、実は原産国は中国です。日本では鎌倉時代から金魚の認識が広まり、室町時代に入った後に中国から伝来しました。

とはいえ伝来したばかりの時代では飼育方法の理解が広まっておらず、本格的な養殖が始まったのは江戸時代からといわれています。

当時は芸術品や観賞用の生物としての認識が強く、ペットとして飼育されるようになったのは明治維新以降です。

ヨーロッパから「愛玩動物」の概念が持ち込まれたことによって、犬や猫と同様に金魚も家庭で飼育されるようになりました。

現在に至るまでにさまざまな品種が開発され、縁日や金魚すくいのような文化的な側面からも親しまれています。

実は種類も豊富な金魚

金魚は種類が非常に豊富であることが特徴です。以下に、特に目にしやすい金魚の種類を紹介します。1匹あたりの価格はグレードや美しさによって大きく変動するため、参考として活用してください。

  • 和金……金魚すくいで多く見られる。1匹約100円~。
  • 琉金……丸い体と美しいヒレが特徴的。1匹約400円~。
  • ランチュウ……筒形の体型で頭部に肉瘤がある。1匹約500円~。
  • オランダ……琉金の変異種で、優雅さと迫力を併せ持つ。1匹約500円~。
  • 出目金……眼が左右で大きく突き出ている。1匹約500円~。

他にもコメット・ブリストル・朱文金・ピンポンパール・キャリコなどさまざまな種類があります。ぜひアクアショップやSNSなどで、実際の模様や泳ぐ姿などを確認してみましょう。

実際に金魚を飼うなら

金魚の寿命は、一般的に10~15年程度といわれています。ただし飼育環境によっては、老衰を迎える前に亡くなってしまうことも少なくありません。

大切なペットにできる限り長生きしてもらうためにも、適切な飼育環境や正しい飼育方法を学び、事前に準備を行いましょう。

飼育に必要なモノをそろえよう

以下に、金魚の飼育に最低限必要なモノを紹介します。

  • 水草
  • 金魚用のフード
  • ヒーター
  • 水質調整剤
  • 照明器具
  • 砂利
  • 水草
  • お掃除用品

金魚は基本的に雑食で食欲旺盛な生き物です。水草やコケなども食べますが、専用のフードを与えることでより健康的な体づくりをサポートできます。

水質調整剤は初めて飼育する際はもちろん、水の交換時にも使うアイテムです。水道水に含まれる有害な物質を除去することで、金魚が安心して暮らせる環境が整います。

水草の大きさや金魚の頭数に合わせて、砂利や水草も用意しておきましょう。照明器具は金魚に昼と夜の環境を与えるだけではなく、水草の光合成にも役立ちます。

他にもろ過装置やお掃除用のバケツ、ホースなども必要になります。可能であればショップの店員さんと相談しながら、金魚がすくすく育つ環境を用意してください。

金魚を大きくしたいなら水槽は大きめに

金魚は水槽の大きさに合わせて成長する傾向にあります。そのため金魚の体を大きくしたいときは、水槽のサイズも大きめのものを用意しましょう。

一般的には60㎝程度の水槽が推奨されていますが、初心者向けセットの場合は45㎝程度のものが多いようです。

より小さめな30㎝程度の水槽で考えた際、約5㎝の金魚であれば3匹、約10㎝であれば1匹が上限の頭数となります。

水槽に金魚を入れすぎるとストレスや病気の原因になるため、上記の数値を基準にしながら適度な頭数を維持していきましょう。

水の交換で金魚を長生きさせよう

金魚を飼う際は、一般的な魚と同じように水の交換が必要になります。水を入れたまま放置していると、金魚の排泄物や食べ残しなどがどんどん溜まってしまいます。

人工的に造られた水槽の中には自然の浄化作用はないため、定期的な水の入れ替えによって水質を保つ必要があるのです。

水の交換頻度は2週間に1回程度が適切といわれています。水を交換する際はカルキを抜いた水道水(水質調整剤でも可)を用意し、水換え用のホースを使って元の水槽の水を3分の1程度抜きます。

新しい水を元の水の温度に合わせ、少しずつゆっくりと水槽に入れていきましょう。温度を合わせるのが難しい場合は、新しい水をビニール袋の中に入れてから2時間ほど水槽に浮かせるとなじみやすくなります。

エサは何を選べばいい?頻度はどれくらい?

金魚のエサの量は、体の大きさに合わせてエサのビンや袋に記載された量を与えます。目安としては、5分以内で食べきれる量が適切でしょう。

エサの頻度は1日に1~4回程度で、金魚をどれだけ大きく成長させたいかによって異なります。

あまり大きくしたくない場合は1日1回でも問題なく、迷ったら1日2回が基本になります。適切な給餌は水槽の汚れ防止にも役立つため、個体に合わせて調整してください。

あったほうが金魚が快適になるアイテム

お掃除&水換えアイテムとして、コケ取りやフィッシュネットを用意しておくと水槽の管理がスムーズになります。

底砂はインテリアとして映えるだけではなく、コケ付着の防止にもなるためぜひ取り入れてみましょう。

また水質維持のために、水を浄化する装置であるエアフィルターを用意することを推奨します。金魚に安定した酸素を与えながら、水槽内の毒素を浄化し病気や事故を防ぎます。

飼育に余裕が出てきたら、水質に変化を与えない程度のインテリアも導入してみましょう。ただし、インテリアに人気の流木は金魚のヒレが引っかかってしまう可能性があります。

掃除の手間も増えるため、ライフスタイルと相談しながら少しずつ進めてみてください。

日本の風物詩!金魚と優雅なひと時を過ごそう

今回は、金魚の生態や歴史、飼育する際のポイントなどを紹介しました。横から見ても上から見ても美しい金魚は、和室だけではなく洋室と組合せることでもモダンな魅力で楽しませてくれます。

ペット用の魚の中では比較的体が丈夫といわれていますが、基本的な飼育方法を知らないとすぐに弱ってしまいます。事前の知識や準備を備えた上で、金魚との和やかな生活を楽しんでください。

以下の記事では、金魚の種類について詳しく紹介しています。金魚の飼育に興味のある方はぜひご覧ください!

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