まとめ
    • 保護犬が心を開いてくれるまで忍耐強く待とう
    • 保護犬とじっくり向き合い、最期の時まで側にいる覚悟が必要
    • 苦手なものやできないこと、その子の特性を理解しよう
    • 保護犬との相性もふまえて、引き取りを考えることが大切

新しく犬を飼い始めるときの選択肢のひとつに「保護犬」があります。ペットショップやブリーダーさんからも犬を引き取ることができますが、動物愛護の観点から、近年保護犬を選択する人が増加傾向にあります。

今回は、実際に保護犬を迎えた飼主さんの体験談や保護犬をお迎えする際に注意したいポイントや向き合い方を紹介します。

保護犬との生活の様子が気になっている人や、保護犬のお迎えを検討中の人は、ぜひ参考にしてください。

【保護犬エピソード1】保護犬が心を開いてくれるまで忍耐強く待って

@merumeru0917さんは、メスの保護犬「めるちゃん」と暮らしています。里親募集情報サイト「ペットのおうち」で、ご主人がめるちゃんに一目惚れしたことで出会いました。

@merumeru0917 さん
@merumeru0917 さん
実家で保護犬を飼っていたこともあり、家族に迎えるなら保護犬をと考えていました。引き取ってからは、こちらから距離を縮めようとせず、めるが心を開くまで忍耐強く待ちました

それから、毎回外で排泄をしてくれたので、1日2回はお散歩に連れて行くようにしていたんです。少し荒治療だったかな?とも思いますが、お散歩好きになってくれたので、結果オーライだったなと思っています。

▲待ってました!大好きなお散歩タイム

@merumeru0917 さん
@merumeru0917 さん

めるといると散歩先や旅行先で「かわいいね」と声をかけられることもあり、コミュニティが広がった気がします。

保護犬には、暗い過去を持っている子もいます。めるを迎えて慣れるまでの数年間は、「このまま心を開いてくれることはないのかな」と思ったこともありました。保護犬に限らず、命あるものを家族に迎えるには覚悟が必要です。

どのような変化があったとしても、それでも「大変」より「幸せ!」が勝つはずです。保護犬を家族に迎える選択肢を!

これまでの辛い経験で心を閉ざしてしまっている保護犬に接する際は、忍耐強く待つことが大事だとわかるエピソードですね。臆病なめるちゃんが甘えん坊になり、はしゃいだ笑顔や安心しきった寝顔を見ているだけで、迎えて良かったなと幸せを感じているそうです。

【保護犬エピソード2】ネグレクトで置き去りにされた保護犬をお迎え

@lealea_0606さんは里親募集に立候補して、オスの保護犬「レアくん」を引き取りました。前の飼主にネグレクトで置き去りにされ、保健所行きになる寸前で個人ボランティアに保護されていたそうです。

@lealea_0606 さん
@lealea_0606 さん
小さい頃から過酷な環境で生きてきたせいか、警戒心や人間不信も酷く、保護主さんにはトライアルしてみて合わなければ返してもらって構わないと言われましたが「何があっても、一生うちの子として命が尽きるまで大切に育てる」と宣言して引き取りました。

男性にトラウマがあるのか、夫に心を開き始めたのは1年後。抱っこさせてもらえるようになったのは2年後でした。
偏食も酷く、ご飯を食べてくれず、苦労しました。

▲不安げな表情から、活き活きした表情に変化したレアくん

@lealea_0606 さん
@lealea_0606 さん

レアにとって新しいお家や私を安心できる場所だと思ってもらえるように、1週間仕事を休んで側に寄り添い、思う存分甘やかして信頼関係を築きました。物音にも敏感で神経質なので、お留守番の時はずっと誰かがしゃべっているニュースやバラエティ中心の映像を流しています。

レアがうちに来て2年4ヶ月。今ではいたずらもするくらい、のびのびと自然体で楽しそうに過ごしています。

過酷な環境を生き抜いてきた子だから、これからは幸せ・幸福・希望が溢れる犬生を過ごしてほしいと「レア」と名付けられました。

今では@lealea_0606さん家族も、レアくんにたくさんの幸せをもらっているそうです。

【保護犬エピソード3】保健所に捕まった恐怖が忘れられず、人が怖くて仕方ないわんこ

▲家に来た当初はケージのすみっこから全く動かない子だったそう

Yさんが保護犬をお迎えするためにお見合いに行った子犬は、一度保健所に捕獲され、そこからボランティア団体に引き取られた子だったそうです。

捕獲された時によほど怖い思いをしたのか、人には全く慣れる気配がなく、犬とは仲良くしているものの、人に触られるのを極度に怖がる子だったといいます。

※茶色の子が小町ちゃん(当初から引き取る予定だった犬)・黒い子がくうちゃん

Yさん
Yさん
保護団体の人も心配するほど人を怖がる子だったので、1頭だけで人しかいない家に連れてきてもパニックになると判断して、2頭一緒に引き取ることにしたんです。

もう1頭の子の方は人に抱っこされることも平気でしたし、何よりも小町にとってはくうちゃんが一緒にいることでかなり安心できているようでした。

家にきたばかりの頃の小町は、獣医さんもびっくりするほどの人嫌いで、獣医さんにも「ここまで怖がりな子はなかなかいないですね」と言われたほどでした。

▲今の小町ちゃんは人に撫でられるのが大好きな甘えん坊に

Yさん
Yさん

小町は最初の1ヶ月間全く触らせてくれませんでした。

3ヶ月を過ぎるくらいから、だんだん撫でてもビクビクしなくなり、半年くらいで家の人間にはだいぶ慣れた感じですね。

抱っこを嫌がらなくなったのは1年くらいでしょうか。

今は知らない人でも大人は大丈夫になりました。でも散歩中に子どもの声がすると今も逃げようとします(笑)。

▲暑がりで水浴びが大好きなくうちゃん

2頭を引き取ったとき、およそ月齢2ヶ月くらい、体重は3.5kgだったそうです。

保護団体の人からは「だいたい12〜13kgくらいまでは大きくなると思います」と言われていたようですが、現在小町ちゃんは13kg、くうちゃんは27.5kgまで大きくなったと飼主さんは苦笑します。

犬種のわからない仔犬を引き取る場合は、成犬の大きさが予測不能なケースが多いので、引き取る際にはそれも考慮に入れておきましょう。

保護犬を家族に迎えるには?

保護犬を家族に迎えるための機会は、大きく4つあります。全国にある動物愛護センター・動物保護団体のHPやSNS・里親募集サイト・譲渡会への参加です。

保護犬を引き取るための特別な資格はありませんが、各施設や団体によって里親になれる基準は異なります。各施設や団体の譲渡基準やトライアル期間などをよく調べて、保護犬の受け入れを検討してみましょう。

保護犬を飼うときに注意したい3つのこと

ここでは、保護犬だからこそ注意したい、3つのポイントを紹介します。保護犬ならではの特性を理解して、引き取りを検討していきましょう。

1.最期まで飼う覚悟を持つ

保護犬を家族に迎えるのには、覚悟が必要です。飼育放棄や虐待をされていた辛い過去のある保護犬もいます。

虐待などの辛い経験によって、保護した後にケガや病気が見つかることもあります。ペットショップやブリーダーから迎える子よりも、警戒心や人間不信が強く、新しい環境に慣れるまでに長い時間がかかる可能性も考えられるでしょう。

何度か飼主との別れをくり返して、心を閉ざしている保護犬を迎え入れる際は、慣れてくれるまで忍耐強く待ち、最期の時まで側にいる覚悟を決めましょう。

2.特性を理解する

保護されるまでの経緯もさまざまな保護犬。苦手なものやできないこともいろいろあるでしょう。

大きな音が苦手な子、男性が苦手な子、吠え癖が直らない子、トイレが覚えられない子など、それぞれ苦手なことやできないことが異なります。時には飼主を困らせてしまう特性がある子もいるでしょう。

保護主さんから保護犬の詳しい経歴や情報を教えてもらい、十分に特性を理解することが大切です。保護犬の特性を理解した上で引き取りを検討しましょう。

3.保護犬との相性を考える

保護犬との生活は、飼主のライフスタイルを変えてしまうかもしれません。保護犬は、ペットショップやブリーダーからお迎えした子に比べて、お世話に手間がかかる傾向があります。

引き取りを検討する際は、同居人やこれからのライフスタイルのことも考えなければなりません。保護犬との相性もふまえて、引き取りを考えることが大切です。

保護犬を飼うのは最初はちょっと大変かも。それでも必ず絆はでき、かけがえのないパートナーに!

今回は、実際に保護犬を迎えた飼主さんの体験談や保護犬をお迎えする際に注意したいポイント、向き合い方を紹介しました。

辛い環境を生き抜いてきた保護犬だからこそ、これからは幸せが溢れる犬生を過ごしてほしいですよね。里親を募集している保護犬たちは、暖かく迎え入れてもらえる新しい家族を探しています。

忍耐強く保護犬と向き合い、絆ができれば、きっとかけがえのないパートナーになれるはずです。

画像提供:@merumeru0917@lealea_0606 さん

 

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