まとめ
  • 寒さを放置していると、ハムスターが「疑似冬眠」してしまう
  • ハムスターにとっての適温は20~25℃
  • 生き物に適した寒さ対策グッズを導入しよう

野生のハムスターは、乾燥した岩場や砂地に生息しています。対して、日本は高温多湿で四季の変化が豊かな国です。

そんな日本とハムスターが生息する環境は、本来相性が悪いとされています。とくに日本の冬はハムスターにとってつらいものであるため、飼育の際は防寒対策を取り入れることが大切です。

今回はハムスターにとっての適温や、寒さ対策のアイデア・グッズなどを紹介します。ハムスターにとって、日本の寒さはときに命にかかわります。体温がキープできるグッズをそろえ、人間もペットも安心して冬を過ごしましょう。

ハムスターが快適に過ごせる温度は?

地域によって異なりますが、日本の冬の平均気温は約11℃です。1年で最も平均気温が下がる傾向にある1月では、日中の温度は平均10℃、朝晩は2~3℃まで下がります。対して、ハムスターが快適に過ごせる温度は20~25℃。ハムスターにとって、いかに日本の冬が厳しいものであるかがわかります。

厚生労働省によると、人間が快適に生活できる温度は18~28℃程度とのことです。冬に人間が「ちょうどよい」と感じるのが18~23℃程度だと仮定すると、ハムスターと安心安全に暮らすためには、普段よりも室温の管理に気を配る必要があります。

参考:厚生労働省「事務所衛生基準規則の一部を改正する省令の施行等について」

寒さを放置しているとどうなる?

ハムスターにとって寒い環境のまま放置していると、体調不良を誘発するだけではなく、疑似冬眠してしまう場合があります。疑似冬眠は、春になったら目覚めるタイプの冬眠とは異なり、体が死に近づきつつある「仮死状態」です。

疑似冬眠の状態では、体温を上げない限り基本的には目覚めません疑似冬眠をさらに放置していると命を落としてしまうこともあるため、ハムスターにとって寒さはまさに死活問題。とくにゴールデンハムスターのような大型の種類は、室温が10℃を下回っただけで疑似冬眠に入ってしまう可能性もあります。

寒さを感じているハムスターの特徴

ここでは、寒さを感じているハムスターの特徴を紹介します。ハムスターは寒さに弱い生き物であるため、人間が快適な室温でも寒さに苦しんでいる場合があります。

小さな体が教えてくれるサインに耳を傾け、環境を調節していきましょう。

体が震えている

人間と同じように、ハムスターも寒いときには体を震わせ、体温を上げようと試みます

プルプルと小刻みに震えてしまうほど寒さを感じているときは、疑似冬眠まで秒読みの段階かもしれません。早急に環境を整える必要があります。

食欲がなくなる

突然食欲がなくなってしまうのも、ハムスターが寒さを感じているサインです。また体を冷やさないために、水分の摂取量も少なくなります。

食べ物を食べなくなると体温も低下しやすくなり、疑似冬眠のリスクをさらに高めてしまうでしょう。

ハウスから出てこなくなる

ハムスターにとってハウスは、床材が敷き詰められている温かい空間です。ハウスからなかなか出てこなくなったときには、外が寒すぎる可能性があります。

「なかなか見かけない」と思ってハウスを調べたら、すでに疑似冬眠に入ってしまっていたというケースもあります。

ハムスターの寒さ対策方法のアイデア

ハムスターを寒さから守るためには、人間側の工夫が必要です。

ここでは、ハムスターの寒さ対策方法のアイデアを紹介します。ハムスターの体にできる限り負担を強いない方法で、快適な空間づくりを目指していきましょう。

小動物用のヒーターを設置する

冬を迎えるにあたって必ず1つは持っていたいのが、小動物用のヒーターです。ハムスターやウサギなどの小動物にちょうどよいサイズで、温度が上がりすぎることもありません。

かじってもケガをしにくい素材でできているため、齧歯類のハムスターでも安心して利用できます。

ケージを窓やドアから離す

寒さが厳しくなってきたら、ハムスターを飼育しているケージを窓やドアから離しましょう。部屋自体は温かくなっていても、廊下や外からは隙間風や冷気を感じます。

暖房器具がしっかり効いてくれる場所にケージを設置し、冷たい空気から守りましょう。

ケージ内の床材を増やす

ケージに敷いている床材は、ハムスターが巣作りに使うだけではなく、寒さを軽減するための保温材としても活躍します。室温が下がる時期にはケージ内の床材を増やし、快適な生活をサポートしてあげましょう。

ハムスター飼育においてオーソドックスな床材であるウッドチップは、保温性に優れたおすすめのグッズです。

参考:SANKO 白樺・広葉樹チップ |Amazon

夜はケージをカバーで覆う

日中は適温でも、夜になるとグッと気温が下がる日があります。冬は眠る前にケージをカバーで覆い、ハムスターにとってつらい冷気からハムスターを守ってあげましょう。

大きめの布を1枚かけてあげるだけでも、室内の温度変化が緩やかになります。

ハムスターの寒さ対策グッズ3選

ここでは、ハムスターの寒さ対策グッズを3つ紹介します。

寒さ対策グッズは、ハムスターの命や健康を守るアイテムです。ペットのサイズや飼育環境に合ったグッズをそろえ、故障や破損にもすぐに気づけるように準備しておきましょう。

内部までもぐりこめるベッド

ハムスターのハウスには、寝床以外に防寒としての機能も備わっています。冬の間は内部までもぐりこめるベッドを購入し、ポカポカな状態で眠れるようにサポートしていきましょう。

以下の商品はケージに固定できるため、睡眠中の転倒も防止できます。

参考:moin moin 小動物用ベッド|Amazon

小動物用保温綿

コットンは保温性が高く、良質な肌ざわりが魅力の天然繊維です。ハムスター用の床材としてコットンを使用することで、冬でも快適な温かさを担保できるでしょう。

ただしハムスターの飼育では、綿の使用に賛否両論の意見があります。ハムスターの性格によっては、口に詰め込んだり食べてしまったりするケースがあるのです。導入の際は慎重に様子を見つつ、他の保温材も同時に検討しましょう。

参考:WanFengXue ハムスター用保温綿|Amazon

フィルムヒーター

かじり癖が強いハムスターにおすすめしたいグッズが、フィルムヒーターです。ケージの下に敷いて使用するタイプであるため、かじられず汚れません。

ケージを全体的に温められ、安心・安全に快適な空間を提供できます。とくにハウスの外に出ている時間が長い子は、ぜひ導入を検討しましょう。

参考:ミニマルランド ほっとハム暖フィルムヒーターワイド|Amazon

寒さ対策をする際の注意点

ハムスターの寒さ対策では、寒暖差を少なくすることがポイントです。寒いからといってケージの目の前にストーブを置いたり、直射日光を与えすぎたりすると、ストーブの熱や寒暖差で体調を崩してしまいます。

また床材を敷く場合は、ハムスターの体が十分に隠れる程度まで足してあげると、保温性が担保されます。夜にケージをカバーで覆う場合は、換気できるように少しだけ隙間を開けておきましょう。

ハムスターにとって冬はつらい!ポカポカの環境を用意しよう

今回は、ハムスターの寒さ対策について紹介しました。昔と比べてハムスターの飼育者も増えたため、現在はさまざまな防寒グッズが販売されています。ヒーターだけでも、据え置きタイプや立てかけタイプ、宙づりタイプなど、幅広いデザイン性の商品が販売中です。

しかしどれほど注意していても、急な停電やアクシデントが起こってしまうケースもあるものです。万が一に備え、寒さ対策と並行しながら、ハムスターの疑似冬眠を診察してもらえる動物病院も探しておきましょう。

 

以下の記事では、ハムスターの飼育方法や注意点をまとめています。ハムスターの飼育を考えている人はぜひ参考にしてみてください!

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