まとめ
  • ペットロスの症状や期間は人それぞれ
  • 無理に悲しみを乗り越えようとする必要はない
  • ありのままの感情を受け入れてマイペースに心身を癒すことが大切
  • ペットロス対策として、ペットに依存しない生活をおくろう

ペットとの愛おしく大切な生活は、常に有限です。命という限られた制限時間の中で、どれほど悔いなく過ごそうと思っても、いつかは必ずペットとの別れがやってきます。

今回はペットロスの意味や症状、つらい時間の乗り越え方などを紹介します。ペットロスによる悲しみは、否定する必要も忘れる必要もありません。ありのままの悲しみを受け入れ、心の在り方に目を向けていきましょう。

ペットロスってどういうもの?誰でもなるの?

ここでは、ペットロス(ペットロス症候群)の概要について紹介します。ペットを飼育する誰もが陥る可能性があるペットロスについて学び、いつか来る「その時」に心を備えていきましょう。

ペットロスとは?

ペットロス(ペットロス症候群)とは、ペットを失ったことによる悲しみを指します。主な症状は精神的な喪失感や抑うつ状態、身体的な不調などがあげられます。

ペットロスは、ペットを飼育している人であれば誰しもが通るであろう未来であり、決して珍しいことではありません。

大切なペットを失くすことは平等に大きな悲しみですが、中には悲しみが募りすぎて日常生活に支障をきたしたり、心や体の病を患ってしまったりすることがあります。

ペットと過ごした時間は、飼主さんの人生や人格形成にまで影響を及ぼすかけがえのないものです。技術の発展により生活がどれほど便利になっても、ペットロスによる悲しみに人が慣れることはないでしょう。

症状は人や環境によってさまざま

ペットロスの症状はケースバイケースであり、症状が軽いからといってペットへの愛情が少なかったわけではありません。ペットロスでは飼主さんの性格やペットとの付き合い方、死生観などの要因が複合的に合わさり症状として現れます。

短い人であれば数日~数週間程度で心身のバランスが整う場合もありますが、重症化すると1年以上経過しても症状に苦しんでしまう場合もあるでしょう。ペットロスの症状は他人と比較するものではなく、自分の心の中で折り合いをつけていく必要があります。

長引く場合は専門家に相談も必要

もしペットロスの症状が数ヵ月以上続く場合は、心療内科を受診したりカウンセリングに通ったりすることをおすすめします。特に不眠や食欲不振など、健康的な生活に大きく支障が出ている場合は早めに受診するべきだといえるでしょう。

体と心は表裏一体です。どんなに「もうペットロスから抜け出したい」と思っても、体の不調が長引けば回復も遅くなります。心と体を同時に癒しつつ、自分のペースでゆっくりとペットロスからの脱却を進めていきましょう。

ペットロスを防ぐためには?

ここでは、ペットロスを防ぐために取り入れたいヒントを紹介します。どれほど心の準備をしても、大切なペットとの別れは悲しくつらいものです。

ペットロスに対する心構えとは、ネガティブな感情を無理やり払拭することではなく、悲しみを上手に受け入れるための準備をすることなのです。

ペットに対して日頃から悔いの残らないように接する

ペットロス対策として心がけたいのは、日頃からペットに対して悔いが残らないように接することです。ペットの死因は老衰とは限りません。事故や病気で亡くなってしまう場合や、ある日突然寿命を宣告されてしまう場合もあるでしょう。

ペットの命の期限は、基本的に飼主がコントロールできないものなのです。

いつ大切なペットの間近に死が迫ってきても後悔しないよう、その日その時にできる精一杯の愛情を注いであげてください。「もっと〇〇してあげればよかった」という気持ちを抱かずに済むコミュニケーションが大切です。

ペットに依存しない生活をする

ペットを飼育している限り、ペット中心のライフスタイルになるのは自然なことです。しかしペットに精神的に依存しすぎる生活をおくっていると、ペットロスの症状が重くなりやすいといえます。

職場以外の複数のコミュニティに所属したり、没頭できる趣味をつくったりなどの方法で、心の依存先を分散していきましょう

ペットへの依存の気持ちが他に分散されたからといって、愛情の大きさが変わるわけではありません。

健康管理や安全管理を徹底する

ペットロスは誰しにもつらいものですが、ペットの死に対して飼主さんが自己責任を感じているとさらに苦しみが増してしまいます。

「もっと早く病院に連れていけばよかった」や「もっとしっかり見守ってあげていればよかった」などの後悔は、何年経過しても心を痛ませます。

ペットロスの症状を少しでも軽減するためには、日頃からペットの健康管理や安全管理を徹底することが大切です。「できることはすべてやった」という自認こそが、自分の心を守ってくれるのです。

ペットロスからの脱却法

ここでは、ペットロスから脱却するための方法・ヒントを紹介します。ただし、記載する内容をすべて試す必要はありません。今の自分の心にとって、無理なく試せそうなものから取り入れてみてください。

さらに、試した後に気持ちが晴れない場合も落ち込む必要はありません。今の状態から少しでも未来に踏み出すための行動を起こせただけで、素晴らしい一歩なのです。自分を責めずに、ゆっくりとマイペースに歩んでいきましょう

悲しみを我慢せずに思い切り泣く

ペットロスを乗り越えるために最も心がけたいポイントは、自分の奥底から湧き上がってくる感情を否定しないことです。

ペットを亡くした直後の心は悲しみのあまりパニック状態に陥っており、さまざまなネガティブな感情が渦巻いています。悲しみ・後悔・怒り・寂しさ・虚無感……。それらすべての感情を否定する必要はありません。

悲しみを否定せずに、悲しみのまま素直に受け入れてあげましょう「自分は今、悲しい。だから、悲しんでいいんだ」と感情を認めることで、理想と現実のギャップが少なくなります。

悲しみを上手に受け入れるためには、人目を気にせず思い切り泣ける環境をつくるとよいでしょう。涙を流すことで気持ちがスッキリし、スムーズな睡眠にもつながります。ビジネスシーンのように「泣きたくても泣けない」という環境以外では、心の安定のために涙を流してあげましょう。

無理に明るく振る舞うと、後から大きな悲しみが押し寄せて余計につらくなってしまうことも。悲しいという感情は、嬉しい・楽しいなどのポジティブな感情と同様に尊重するべきものです。まずは、自分が自身の感情や状態を認めてあげてくださいね

信頼できる人と話す

ネガティブな感情は、頭の中でどんどん肥大化していくものです。悲しみを一人で抱え込んでいると、悪い想像や後悔の気持ちばかりが膨らんでしまいがちです。ペットロスの症状を緩和するためには、信頼できる人を選び今の気持ちを吐き出させてもらいましょう

言葉にして気持ちをアウトプットすることで、自分の気持ちが整理しやすくなります。悲しみや寂しさの原因がより詳細に把握でき、今自分がどうしたいか・どうなりたいかなども明確になっていきます。

現状を適切に把握・分析できれば、具体的な行動の方針も決まりやすくなるでしょう。

何より「つらい気持ちを知ってくれている人がいる」と思えることは、安心感や勇気につながります。

文字にして書いてみる

人に話を聞いてもらう方法と同様に、文字にしてアウトプットすることでも気持ちを整理しやすくなります。綺麗な文字で書く必要も、整った文体にする必要もありません。まずは胸の内をそのまま文字として羅列してみましょう

支離滅裂な文体になってしまうかもしれませんが、心の状態を正しく把握するために重要な工程です。

文字にすることで初めて心の奥底の本音に気づける場合もあるでしょう。

悔いの残らない供養をする

昨今ではペットの供養や葬儀にかかわる企業も増え、ペットの性格や関係性に合ったお別れ・弔いができるようになりました。

ペットロスを乗り越えるためには、悔いの残らない供養をすることが求められます

ペット供養はプランによって価格に差がありますが、価格よりも「その子が喜ぶような、飼主さんにとって満足感のある方法かどうか」が大切です。

お骨の取り扱いについても、納得できるまで考えていきましょう。

カウンセリングを受ける

周りに話せるような相手がいない人や、知人に弱みを見せたくない人も多いのではないでしょうか。

ペットロスの苦しみを一人で抱え込んでしまいそうなときは、プロのカウンセラーに話を聞いてもらうこともおすすめします。

中にはペットロスの相談や悩みに特化したプログラムが用意されていることも。

精神的な苦しみから抑うつ状態が生じている場合は、心療内科に併設されたカウンセリングの利用も検討しましょう。

悲しみは愛情の証。自分の心のペースを大切に

今回はペットロスの意味や乗り越え方のヒントなどを紹介しました。

ペットロスの症状や期間は人によって違うため、すべての人に同じ解決方法が当てはまるとは限りません。しかし一つだけ確かなことは、抱いている悲しみはペットへの愛情の証だということです。

時間は巻き戻らず、命を永遠にすることはできません。だからこそペットとの毎日は愛おしく、尊く、掛け替えのないものです。

悲しみを否定する必要はありません。今、しっかりと悲しめている自分に誇りを持ち、一歩ずつゆっくりと歩んでいきましょう。

 

最愛のペットと後悔しないお別れをするために…

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