まとめ
  • ふるさと納税の対象によっては、保護動物を支援できる
  • 動物を助けられるだけではなく、魅力的な返礼品を受け取れ、税金対策にもなる
  • 寄付金は予防接種やフード代、避妊去勢手術費用などに使われる

ふるさと納税は、応援したい地域や故郷に寄付することで、返礼品を受け取れるシステムです。特定の地域を支援できるだけではなく、翌年の住民税や所得税を減税できるため、税金対策としても用いられています。

そんなふるさと納税で、保護動物を支援できることを知っていますか?今回は、ふるさと納税で保護犬・保護猫の支援ができる仕組みや、具体的な支援活動などを解説します。

対象となる自治体も紹介していきますので、ふるさと納税を通して動物愛護に携わりたい人はぜひ参考にしてください。

ふるさと納税で保護犬・保護猫の支援ができる仕組み

ふるさと納税で寄付された税金は、対象地域の課題解決に用いられます。課題は自治体によって異なり、歳入増加・地域活性化・地域特有の課題解決などが代表的です。なかでも、動物の殺処分や動物保護施設の人員・経済的負担は、全国的に深刻なものとなっています。

すべての自治体が平等に動物愛護のテーマを掲げているわけではありませんが、動物保護活動や保護犬・保護猫の支援活動に特化した地域に寄付することで、地域の動物保護・支援活動をサポートしつつ返礼品も受け取れます。

ふるさと納税による成功例が、広島県を中心に動物保護活動を行う団体「ピースワンコ・ジャパン」です。ピースワンコ・ジャパンでは保護動物の支援を目的としたふるさと納税を展開しています。

その結果、2011年には殺処分数全国ワースト1位だった広島県の殺処分が、2016年にはゼロに!現在に至るまで、殺処分機は再稼働していません

ふるさと納税でできる支援活動

以下に、ふるさと納税でできる保護動物支援活動の例を紹介します。

  • フィラリア予防薬の費用
  • 避妊去勢手術の費用
  • フードの費用
  • 保護動物の医療費・交通費
  • 保護団体の活動費用(設備整備費含む)
  • 教育機関への動物愛護に関する書籍の寄贈
  • 教育機関への動物愛護に関する講演の費用
  • その他雑費(離乳食・治療食・衛生用品・ミルクなどの費用)

犬・猫を含む保護動物への支援としては、施設の整備費や動物たちの食費、医療費などが代表的です。地域猫との共存として用いられる場合は、一代限りの命を実現するための避妊去勢手術費用が重要になります。

動物愛護の支援パターン

ふるさと納税によって動物愛護を支援する場合は、いくつかのパターンに分けられます。おもなパターンは以下の3つです。

  • 寄付のみ(返礼品なし)
  • 返礼品あり
  • 活用先を選べる

たとえば、動物保護において経済的に深刻な問題を抱えている地域・施設の場合は、返礼品が受け取れないケースがあります。反対に、一般的なふるさと納税と同様に、地域の特産品を選べるケースも。返礼品の有無は、それぞれの自治体で確認可能です。

またふるさと納税は「寄付金のうち2,000円を超える部分について、所得税の肝付・住民税の控除が受けられるシステム」です。税金対策も兼ねて寄付を行う場合は、自身の所得から控除の上限額を計算したうえで納税先を選んでいきましょう。

動物愛護の支援ができる自治体

ここでは、動物愛護の支援ができる自治体を紹介します。「動物のために何かをしたい」と思っていても、具体的に何ができるかはイメージしにくい人も多いのではないでしょうか。ふるさと納税を通して地域に寄付を行い、間接的に動物たちの命や未来を守っていきましょう。

【東京都・世田谷区】動物とともにいきるまちプロジェクト

「せたがや 動物とともにいきるまちプロジェクト」では、地域住民・ボランティア・行政の三者が協働し、地域ねこ活動を行っています。寄付金の使い道は以下の3つです。

  • 地域ねこ活動、不妊・去勢手術の支援
  • 動物の適正な飼育に関する普及啓発
  • 人と動物との調和のとれた共生社会が実現するために必要な事業への支援

世田谷区外からのふるさと納税では、区にゆかりのある返礼品が選べます。

【岐阜県・飛騨市】返礼品も猫まみれ!SAVE THE CAT HIDA PROJECT

「SAVE THE CAT HIDA PROJECT」では、保護猫に関わる事業を行っています。「楽しみながら猫助け」をテーマにあげ、人間と猫の共存のために活動中です。寄付金の使い道は以下の4つです。

  • 殺処分の原因となる猫問題の事前調査
  • 殺処分対象の猫のためのシェルターホスピス拠点設立
  • 保護猫専門の移動型病院設立
  • 保健所に持ち込まれる猫を減らすための、高齢者見守り事業

飛騨市のふるさと納税では、返礼品も猫だらけで非常に魅力的!猫がデザインされたケーキ・お米・コーヒー・大福……。猫好きにはたまらないラインナップとなっています。

【岡山県・吉備中央町】犬猫だけじゃない!競走馬のセカンドキャリア支援

岡山県の吉備中央町では、引退した競走馬のセカンドキャリアを支援する活動を行っています。2016年から活動が始まり、今までに約200頭の馬たちがセカンドキャリアを手に入れました。寄付金の使い道は以下の4つです。

  • 引退競走馬のリトレーニング費用
  • ホースセラピー 馬の育成、養老牧場調査費等
  • 治療のため馬を運ぶ輸送費および手術代
  • 管理費

競走馬を引退した馬は、30年以上長生きする場合もあります。環境が整備されることで、引退後に行方不明になる馬が減少し、幸福な余生につながります。返礼品は、引退競走馬の施設見学や蹄鉄のお守りなど、馬にまつわるユニークなラインナップで一見の価値ありです。

【群馬県・前橋市】保護犬支援団体と協業して、多角的に犬・猫を救う

群馬県前橋市では、保護犬の殺処分を減らすための取り組みを行っています。寄付金の使い道は以下の2つです。

  • 団体の活動費用
  • 前橋市が実施する動物愛護事業

動物保護活動は、常に人員と費用の課題を抱えています。「団体の活動費用」では動物たちの医療費・管理費・フード代・ミルク代・離乳食代などに、「前橋市が実施する動物愛護事業」ではフード代・医療費・ワクチン費・設備整備費・犬の去勢不妊手術費などに使われます。

返礼品はありませんが、少しでも多くの命を救うために支援を募集中です。持病や加齢からなかなか譲渡対象になりにくい保護動物でも、家庭犬と同様に快適な環境で過ごせるように、ぜひチェックしてみてください。

【高知県・日高村】残った数千円で、保護動物の支援を

高知県の日高村へのふるさと納税では、里親募集型保護猫カフェの支援ができます。高知県では、年間約400匹の猫が殺処分されています。その内の9割が、生まれたばかりの子猫です。

日高村では「動物と人とが共存できる村づくり事業」が始まったばかりです。村内の「にゃんこメリー」では、子猫を引き取り育成しつつ、里親を募集しています。

寄付金は、にゃんこメリーで保護している猫たちのフード代・手術代・運用費として活用されます。返礼品はありませんが、お礼としてお手紙や保護猫紹介のチラシがもらえます。

ふるさと納税を賢く活用して、保護動物たちを支援しよう

今回は、ふるさと納税で貢献できる動物保護支援について紹介しました。

ふるさと納税といえば、「美味しいグルメの返礼品」や「お得な税金対策」のイメージがありますよね。もちろんそれらも魅力的ですが、寄付先に迷っている人はぜひ「動物保護」を選択肢の1つに加えてください。

通常の返礼品が設定されているふるさと納税でも、活用先を保護動物関連に選べるものもあります。ふるさと納税をはじめとした近年の啓蒙活動により、日本の殺処分数は年々減少中です。あなたの支援が、未来ある動物を救います!

 

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少しでも興味のある方はぜひチェックしてみてください!

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