まとめ
  • 日本で飼育できるハムスターはおもに5種類
  • 飼育に必要なグッズが揃ったセットも販売中
  • 種類による特性だけではなく、個体ごとの個性で選ぼう


世界では多くの生き物がペットとして飼育されています。犬や猫以外にも、鳥・魚・小動物・爬虫類などさまざまなペットが人気ですよね。

今回は、数あるペットのなかでもファンが多い「ハムスター」の生態について解説します。日本で飼育できる人気のハムスターの特徴や、基本の飼育方法なども紹介していきます。

ハムスターの飼育を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

基本をおさらい!ハムスターってどんな生き物?

ハムスターは、キヌゲネズミ科キヌゲネズミ亜科に属する齧歯類の総称です。雑食性・夜行性の哺乳類で、肩まで広がる大きな頬袋を持っています。ハムスターの寿命は種類によってやや異なりますが、平均は2〜3年です。

野生ではヨーロッパからアジアの乾燥地帯に分布しており、餌を探すために小さな体で一晩10〜20kmもの長距離を移動しながら生活しています。

ペットとして飼育されるようになったきっかけは、1931年に行われたロンドン動物園による展示・一般販売です。日本での飼育個体は1950年に実験動物として輸入されたものがルーツであり、今は愛玩動物としても飼育されています。

ハムスターが飼いやすい理由

ここでは、ハムスターが飼育しやすい理由を紹介します。

ハムスターはさまざまな理由から、初めて飼育するペットとして推奨される動物です。ハムスターならではの魅力を学び、実際の飼育イメージにつなげていきましょう。

飼育コストが比較的低い

ハムスターは、飼育コストが比較的低いことが特徴です。

犬用ケージやキャットタワーなどと比べてハムスター用ケージは小さく、収納の幅をとりません。また餌代や床材などの費用も、他の動物と比べて低い傾向にあります。

犬や猫のようなしつけが必要ない

ハムスターは基本的に散歩に連れ出さないため、しつけの必要がありません。トイレも砂場さえ用意すれば自然と覚えてくれます。

犬の場合は「待て」や「伏せ」などを覚えさせないと周囲への迷惑や事故につながりますが、ハムスターはしつけ不足によるリスクがほとんどない点が魅力です。

近隣に迷惑がかかりにくい

犬や猫を飼育していると、鳴き声や無駄吠えによる騒音の被害が発生する可能性があります。

ハムスターは鳴き声をほぼ出さず、トイレや体臭も少ないため、近隣に迷惑をかけずに飼育できます。

ただし夜行性のため、深夜における回し車の音への配慮は必要です。

ハムスターの種類・性格の特徴

ここでは、ハムスターの種類や性格の特徴を紹介します。日本で飼育されているハムスターは、おもに以下の5種類です。

  • ゴールデンハムスター
  • ジャンガリアンハムスター
  • チャイニーズハムスター
  • ロボロフスキーハムスター
  • キャンベルハムスター

同じハムスターでも、種類によって大きさや性格は多種多様です。それぞれの魅力を学び、自分好みの種類を探してみましょう。

ゴールデンハムスター

ゴールデンハムスターは、日本でもオーソドックスなハムスターの一種です。体長は15~20cm程度とペット用ハムスターとしてはやや大柄で、人懐っこく穏やかな性格をしています。

知能が高く、飼主の声や臭いを覚えてくれる子も多い傾向にあります。おっとりとした個体が多いため、初めてハムスターを飼育する人にとくにおすすめです。

 

以下の記事では、ゴールデンハムスターを品種改良して生まれた種類である「キンクマハムスター」の魅力を紹介しています。今回の記事とあわせて、ぜひ参考にしてください。

【あわせて読む】

あなたの知らないキンクマハムスターの世界

ジャンガリアンハムスター

ジャンガリアンハムスターは、体長6~12cm程度の小柄なハムスターです。四肢に被毛が密に生えており、小さくてもフカフカな姿が特徴的です。

温厚で大人しい性格の個体が多いですが、なかには縄張り意識が強い子もいます。とくにオス同士の多頭飼育では喧嘩に発展するリスクがあるため注意しましょう。

チャイニーズハムスター

チャイニーズハムスターは、体長9〜12cm程度のハムスターです。被毛は短く滑らかで、尻尾は3cmほどで、ネズミに近い外見をしています。

性格は大人しく、飼育しやすいですが、ハムスターのなかでは賢いため、一度心を閉じるとなかなか懐いてくれないケースがあります。飼育開始時点から、優しく思いやりのあるコミュニケーションが大切です。

ロボロフスキーハムスター

ロボロフスキーハムスターは、体長6~7cm程度とジャンガリアンハムスターよりも小柄なハムスターです。臆病で神経質な個体が多く、人間にも警戒心を抱きやすい傾向にあります。

動きが素早いため、手乗りよりは鑑賞を目的として飼育することをおすすめします。気長に待つコミュニケーションが必要ですが、愛らしい小さな見た目からファンが多い種類です。

キャンベルハムスター

キャンベルハムスターは、体長7~12cm程度のハムスターです。見た目はジャンガリアンハムスターに似ていますが、性格はロボロフスキーハムスターに似ており、警戒心が強い個体が多い傾向にあります。

気性が荒い一面もあるため、多頭飼育には不向きです。飼主の手を噛んでしまうこともありますが、多くの場合は攻撃性より恐怖心が原因といわれています。声掛けや段階的なスキンシップを通し、少しずつ信頼関係を築いていきましょう。

その他のハムスター

上記5種類以外にも、多種多様のハムスターが存在しています。

  • ニュートンハムスター
  • ブラントハムスター
  • ラッデハムスター
  • カンシュクキヌゲネズミ
  • チベットキヌゲネズミ
  • タビキヌゲネズミ
  • トリトンハムスター など

ただしこれらのハムスターは、野生の個体のみでペット化されていなかったり、絶滅危惧種でレッドリストにされていたりするため、国内で飼育することは困難です。

興味がある人は、ぜひそれぞれの性質や分布地なども調べてみてくださいね。

ハムスターの飼い方の基本

ここでは、ハムスターの飼い方の基本を紹介します。

とはいえ、飼主のライフスタイルや飼育環境、個体の性質によって適した飼育方法は異なるものです。ブリーダーや販売員に相談しながら、適切な環境を整えていきましょう。

飼育に必要なもの

以下に、ハムスターの飼育に必要になる基本的なグッズを紹介します。

  • ケージ
  • 床材
  • ハウス
  • 回し車
  • 餌・給水器・食器
  • カイロ・冷却グッズ
  • トイレ・トイレ砂

ペットショップやホームセンターなどには、消耗品以外の基本グッズがセットになった商品も販売されています。ハムスターの大きさに応じたケージをそろえつつ、必要なグッズを買い足していきましょう。

餌の種類・量

ハムスターの主食は、専用の固形フードであるペレットです。嗜好性が低い場合は、小動物用の種子類や乾燥野菜などを混ぜて与えます。

ペレットは大粒・小粒・ハード・ソフトなどの違いがあるため、ハムスターの大きさや年齢に応じた種類と量を与えましょう。1日の食事量は、体重の5~10%ほどが目安になります。

ケージを設置する環境

ハムスターのケージは、直射日光を避けて風通しが良い空間に置きましょう。ただしエアコンの空調が直接当たらないように、風向きや角度を調節してください。

壁からケージを離して設置することで、回し車による騒音被害を最小限に抑えられます。またハムスター自身も外からの騒音でストレスを感じる可能性があるため、窓から離してあげるとよいでしょう。

種類ごとの特徴を理解し、自分にピッタリのハムスターを選ぼう!

今回は、ハムスターの種類ごとの特徴や、基本の飼育方法を紹介しました。

ハムスターは、暑さ・寒さ・寒暖差・騒音・振動が苦手な生き物です。なるべく静かな環境でストレスフリーに生活できるように、飼育環境を整えてあげましょう。

またハムスターは個体によって性格や嗜好が異なります。種類による特性だけで判断せず、個体ごとの個性を考慮することが大切です。毎日お世話をしているブリーダーや販売員とコミュニケーションをとりながら、自分に合った性格の子を見つけていきましょう。