この記事は2024年9月時点の内容です。
亀は動物飼育経験がなくても飼育がしやすく、室内飼育のペットとしても非常に人気です。鳴き声や抜け毛の心配がない点も人気の理由のひとつ。
初心者や仕事で外出している時間の長い一人暮らしの人も飼育できます。
そこで今回は、亀をはじめて飼育する際の注意点やおすすめの種類を紹介します。
亀の生態や飼育する前の準備などを一緒に見ていきましょう。
目次
亀ってどんな生き物?
亀はヘビやトカゲと同じ「爬虫類」に分類される生き物です。そんな亀の生態や寿命について解説していきます。
亀はどんな生き物?
亀は体温が気温に左右される変温動物なので、あまりにも寒いと冬眠する場合もあります。
また、体を健康に保つ日光浴は欠かせません。
水槽の中だけでなく、定期的に日差しを浴びられるように窓際に水槽を動かしたり日光浴をさせたりしてあげます。
ペットの亀は「半水棲亀」が多い!
亀と一口に言っても種類によって特徴や生態系が異なります。共通している特徴には、硬い甲羅で覆われた胴体、敵が接近した際に殻に閉じこもる動きなどが挙げられます。
亀の生息地も種類によってさまざまです。
- 水中だけで生息:完全水棲亀
- 水中と陸地で生息:半水棲亀
- 陸地だけで生息:陸亀
なお、ペットとして親しまれている亀は主に「半水棲亀」です。1匹あたりの値段は500〜1万円ほど。
亀の寿命は?
「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、亀はとても長生きをする生き物です。日本でペットとしておもに飼育されるされる亀の平均寿命は、以下の通りです。
- ミドリガメ……約30年
- クサガメ……約30~40年
- ニホンイシガメ……約20~30年
- キボシイシガメ……約20年
- カブトニオイガメ……約25年
- スッポン……約25年
種類によって平均寿命は異なりますが、短くても20年以上は生きると考えると、その生命力の強さに感心してしまいますよね。亀をお迎えする際は、寿命の長さを見越した終生飼育のプランニングが重要です。
亀はなつく?亀の飼育の魅力
亀というと、「のんびり」「おとなしい」といったイメージがあるかと思います。しかし、飼い主の顔を覚えて「餌をちょうだい!」と激しく動いてアピールする一面があるのもかわいいです。飼い主以外のときは、顔を甲羅の中に隠してしまいます。
特に、ミドリガメは人になつきやすい種類といわれています。
また、餌をあげるときの様子も亀の魅力のひとつです。首を一生懸命伸ばして、口をパクパクする姿は、何度見ても飽きません。
一人暮らしだと、世話の心配や部屋の広さの問題から、ペットを飼うことに抵抗感を持つ人も少なくないかと思います。
亀の飼育スペースはコンパクトに収まります。さらに、亀は構いすぎるとストレスを感じるので、干渉し過ぎずに飼育する必要があります。
ある程度自由にさせておくことができるのも、一人暮らしの人には嬉しいポイントです。
亀の飼育に必要なものは?飼い方の完全ガイド
ここからは、亀を実際に飼育するために必要な用具や環境を紹介します。
亀を飼育するには、水槽や餌の準備が必要不可欠ですが、ペットショップで、どれも簡単に用意できるので安心です。
亀の飼育に必要な飼育用具
今回は、半水棲亀の飼育で欠かせない飼育用具をご紹介します。
- 水槽(体長10cmに対して幅60cm)
- フィルター
- 日光浴をするための浮島(大きめの石でも可)
- 紫外線照射のための紫外線ライト
- 温かさをとるためのバスキングランプ
- ヒーター
- カルキ抜きのための水質調整剤
亀を飼育する水槽は、幅と奥行きが広いものを選びましょう。
ペットとして親しまれている亀のほとんどが「半水棲亀」です。そのため水槽には、底にレンガや市販の亀用陸地を作る必要があります。
また、亀が日光浴できるように浮島や紫外線ライトも必要です。ときどき水槽から出してベランダで日光浴させてあげるのも良いでしょう。
亀の餌はなにをあげればいい?
亀の餌はペレットタイプがペットショップでも販売されています。亀の餌は体の大きさによってサイズが異なるので、購入するときには注意が必要です。
市販の餌の他にも、エビ・魚・小魚といったタンパク質を主食とします。基本的には亀専用の餌を与えてあげましょう。
亀の飼育に必要な環境
亀の体温は、気温に影響を受けてしまいます。そのため気温が低い日が続く冬には冬眠してしまうこともあります。
亀は冬場になると冬眠する生き物です。しかし、冬眠にはさまざまな準備が必要になるため、冬眠の準備が難しい場合には、冬眠をさせないようにする必要があります。
具体的には、冬場は窓際を避けたりヒーターを設置してあげたりするのがおすすめです。
水槽は食卓とは離れた場所に置こう
亀を飼育する上で、注意が必要なのが「サルモネラ菌の感染」です。亀をはじめ、爬虫類は50〜90%の割合で、サルモネラ菌を保有しています。
日本でも子どもが、ペットのミドリガメから感染し、食中毒で重症となったケースもありますので、飼育する場所には十分注意しましょう。
また、水槽を掃除したり亀を触った後には、念入りに手洗いをすることが大切です。
飼育しやすいおすすめの亀の種類5選
ここからは、ペットショップでも人気のある飼育しやすい亀を厳選して5種類ご紹介します。亀は成長するにつれて体長が大きくなっていきます。
種類によっては、サイズは大きく異なりますが、最長で30cmになる亀もいます。将来の飼育スペースを考えながら、亀を選ぶようにしましょう。
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)|初心者からも人気の亀
- 体長:25cm
- 金額:500円
- 寿命:30年
- 必要水槽サイズ:90cm
亀の中でも最も人気のある種類がミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)です。ミドリガメは耳のところに赤い模様があります。
子供の頃は全体的に緑色ですが、大きくなるにつれ甲羅は黒褐色となります。水槽で飼育する亀の中では長生きさせやすく、初心者で亀を飼いたい人に特におすすめです。
また、もともと外来種であるミドリガメが、日本の池や川に放流されてしまい、生態系が崩れていることが近年問題視されています。
そのため、ミドリガメは緊急対策外来種として環境省から認定されています。今後、特定外来生物一覧に登録されることも懸念されているのが現状です。
特定外来生物一覧に登録された場合には、すでに飼育している人は、許可証の申請が必要となります。
クサガメ|丸みを帯びた甲羅が特徴的
- 体長:20〜30cm
- 金額:1,000円
- 寿命:30年
- 必要水槽サイズ:90cm
朝鮮半島や中国に生息していた亀ですが、現在は日本に帰化している外来種です。
クサガメの名前の由来は、危険を感じたときに肛門付近から臭い匂いを出すことからつけられました。しかし、水槽での飼育環境ではほとんど匂いを出すことはありません。
甲羅は黒褐色で、腹部の甲羅には細くて黄色の線が入っています。
クサガメは小さい頃から飼育されていると、懐きやすいのも特徴のひとつです。大人しくて懐きやすい亀を探している人は、クサガメも検討してみてくださいね。
ニホンイシガメ|石のような硬い甲羅を持つ
- 体長:15〜20cm
- 金額:3,000〜5,000円
- 寿命:20年
- 必要水槽サイズ:90cm
ニホンイシガメは、日本固有種の亀ですが外来種によって数が減っており、準絶滅危惧種に指定されています。
甲羅の形は平らで、真ん中は山型に尖った形をしています。甲羅の表面は黄褐色で、不鮮明な黒色が入っています。
ニホンイシガメは水中で泳ぐのが得意でありません。飼育する際には水深を浅くして、浮石を準備しましょう。
キボシイシガメ|黒の甲羅に黄色の斑点模様がかわいい
- 体長:13cm
- 金額:15,000〜50,000円
- 寿命:20年
- 必要水槽サイズ:45~60cm
体が小さく可愛らしい亀を探している人におすすめの種類がキボシイシガメです。甲羅の色は真っ黒で黄色の斑点模様が特徴的です。
しかし、子供の頃は体温調節が難しく、バランスの良い餌が欠かせないので、飼育難易度は他の種類と比べるとやや高めといえます。
カブトニオイガメ|尖った甲羅と丸い頭がチャーミング
- 体長:15cm
- 金額:5,000〜8,000円
- 寿命:20年
- 必要水槽サイズ:60cm
完全に水中に生息していて泳ぎが非常に得意なカブトニオイガメ。水中を泳ぎ回れるように、大きめの水槽を用意してあげると良いでしょう。
甲羅の真ん中に山なりのとがったキールがあります。隆起した甲板や扁平な甲板のことをキールと呼びます。甲羅がカブトに見えることが名前の由来です。
ニオイガメの中では、比較的体長は大きめです。カブトニオイガメは半水棲亀ですが、ほとんど水中で過ごす点も特徴に挙げられます。
寿命も長く、ペットとして一緒に過ごせる亀との生活を楽しもう
この記事では、亀をお迎えする前にチェックしておくべき飼育の準備について解説してきました。
亀はペットの中でも長生きする生き物です。長く連れ添いたいペットを探しているなら、ぜひ亀を検討してみてください。
また、どの生き物にも言えますが、亀を飼育することを検討するときは、最後まで責任を持って飼うことができるかをまずは考えましょう。
近年、飼い始めた亀を池に放す人のニュースが増えています。人が亀を放すことで、生態系が崩れてしまうことが問題になっているのも忘れてはいけません。
以下の記事では、亀好きに人気の「カメセーター」をご紹介しています。とっても可愛いのでぜひチェックしてみてください!