まとめ
  • ヤギは犬猫に次いで人間との共生の歴史が長い動物
  • ヤギは人に懐きやすくフレンドリーな性格をしている子が多い
  • ヤギに現在一般的に使われている紙を食べさせるのはヤギの体にとっては毒になる

ヤギは実は犬猫に次いで人間との共生の歴史の長い動物だって知ってましたか?人間と共に過ごしてきた時間が長い分、人間にもとても慣れてくれる動物なようです。

場所によってはペットとしてくれている地域もあるほど、日本でも馴染みのある動物でもあります。とはいえ隣の家で飼っているというほどは身近ではないのも事実。

今回はそんなヤギのお散歩をさせてくれる伊香保グリーン牧場でヤギの飼育を担当している田中さんに、ヤギについてお話を聞いてきました。

◆今回インタビューに答えてくれたのは

ヤギの飼育担当 田中さん

普段は7人でヤギ・ウサギ・羊の飼育を担当。動物の中でも特にヤギが大好き。「ヤギのことなら何でも聞いてください!」というほどのヤギ好き。

伊香保グリーン牧場

所在地群馬県渋川市金井2844-1

料金:大人1,500円・子ども(3歳〜小学生)800円

営業時間:9:00〜16:00

400頭を超えるふれあい動物の飼育スタッフは7人

伊香保グリーン牧場ではヤギと羊のお散歩をさせてくれます。また馬やポニー、うさぎともふれあえるフレンドリーな牧場です。

そんなグリーン牧場には約50頭のヤギが飼育されており、そのほかに羊がおよそ300頭にウサギがおよそ80羽います。その中でヤギだけを担当するということはなく、400頭を超えるふれあいのできる3種類の動物たちを7人のスタッフで担当しているのだそうです。

ここでは毎日ヤギとふれあい、その生態や仕草を見ている飼育スタッフならではの視点や知識を教えてもらいました。

伊香保グリーン牧場とは?

ヤギのほかにも羊・うさぎ・馬にもふれあえる伊香保グリーン牧場(以下グリーン牧場)。伊香保温泉にも近く、都心からも車でだいたい2時間半程度で行くことができます。

緑に囲まれた立地と周辺に観光地も多いことから、家族連れやカップルにも人気の牧場です。

ヤギや羊をお散歩させられるアトラクションがあり、ヤギや羊には1頭1頭みんなちゃんと名前がついています。お気に入りのヤギや羊を指名してお散歩させにくるリピーターもいる人気のアトラクションになっています。

実は牛の仲間!?ヤギってどんな生き物?

分類上は牛科の動物であるヤギ。実は人間に飼われるようになった歴史は牛よりも古く、バターやチーズなどの乳製品は元はヤギのミルクを原料として開発されたとか。

ヤギは草食動物なので視野が広く、グリーン牧場でも牧草を主食として生活しているのだそうです。もともと高山帯で生活している種類が多い動物で、高い所に登るのが好きな動物。体も丈夫なので飼いやすいと言われている動物です。

「個体差はあるようですが、あごの下に伸びるひげも特徴の一つです」

と田中さんは話してくれました。

ヤギの飼育で気をつけていることは?

50頭という数の多頭飼いなので、それぞれの体格差が大きくならないように気をつけていると田中さんは言います。

確かにグリーン牧場で飼育されているヤギはあまり体格差がなく、大きさがそろっている感じがします。毎日気をつけてお世話をしているために、体格差がつかないのですね。

ヤギは1日どのくらい餌を食べるの?

「だいたい大人のヤギさんで1日0.6~1kgくらい草を食べます

ヤギの体重はメスで70kg前後、オスだと100kg前後だと考えると、少食な気もしますね。

田園地帯では草刈りの手間を省くためにヤギを飼って、生えてくる草をヤギに食べさせるという人もいるように、とにかく草が大好きな生き物なようです。イメージとしても、むしゃむしゃと草を食べているイメージがあります。

イメージといえば、ヤギは紙を食べると言われていますが、実際には食べさせてはいけないのだそうです。現在使われている洋紙や、インクが使われている印刷物は体に毒なのだとか。

古来から使われているような、自然由来の素材からできている和紙などは食べられたようなので、そんなことに由来して童謡の「やぎさんゆうびん」の歌詞は作られたのでしょう。

ヤギは崖も登れる動物、その生活と運動量とは?

ヤギは高山帯で生きられる動物。ヤギが人間が登るのにはとても苦労しそうな崖を、ぴょんぴょんと身軽に駆け上がっていく映像を見たことのある人も多いでしょう。

そんなヤギには相当な運動量が必要な気がしてしまいますが、実際にはどのくらいの運動が必要なのでしょうか?

ヤギは1日どのくらい運動しているの?

「(高いところへも)なんとなく登っているヤギさんも多いと思うので、ヤギさん自身の運動量ははっきりとわかりません……」そう話す田中さん。

​​「ヤギさんにも個性があって、のんびりした子はあまり動かなかったりします。

ですが、のんびりな子もふと見ると移動していたりするので、ヤギさんの気分で自由に動いているような感じだと思います」

グリーン牧場では日替わりでお散歩などのお仕事があるためか、これといって特に気をつけて運動させたりということはしていないと田中さんは話してくれました。

お散歩ヤギさんの見分けつきますか?

「つきます!」

田中さんは即答してくれました。

「ヤギさんは柄のある子もいますが人間と同じで顔もみんな違います」

柄の違いだけでなく、1頭1頭顔も個性も違うのだと田中さんは言います。

ヤギは犬に次いで家畜化された動物だと言われています。人間との生活の歴史は長く、1万年以上前から人間と共生しているため、人間によく慣れる個体も多いようです。

グリーン牧場ではヤギ1頭1頭に名前がつけられていて、お散歩に参加するヤギの顔写真を使った缶バッチが売られています。

その日お散歩させたヤギや羊のバッチを買って帰る人も多いそうです。気に入ったヤギを指名して何度もお散歩させにくるリピーターもいるのだとか。

田中さんおすすめのヤギのかわいい仕草とは?

「嬉しい時にしっぽを振っていたりするので可愛いなと思います」

そう話してくれた田中さん。

「少し首を傾げたようにしてじっとこちらを見ていたりする事もあるのでそれも可愛いです」

そう話すように、人間との共生の歴史の長いヤギは、表情や仕草でも人間にいっぱい訴えかけてきてくれるようです。

その仕草には犬や猫と共通する部分も多く、人間に対して警戒心のあまりない動物であるヤギは、初めて訪れてもヤギの方から寄ってきて挨拶してくれる愛嬌があります。

グリーン牧場で生まれ育った子がほとんどなので、みんな人間に対して警戒する必要がないことをわかっているんですね!

ヤギはとってもフレンドリーな動物!一緒にお散歩を楽しもう

グリーン牧場ではヤギ同士の事故防止の意味もあって、生まれてから3ヶ月ほどで除角(ツノを取り除く作業)を行うそうです。

ヤギはじゃれたいときや、自分の優位性を誇示したいときなどにツノをぶつけ合う習性があります。ツノのないグリーン牧場のヤギたちも、そこここで頭をぶつけ合うシーンを見かけます。

ヤギの習性を理解しながら、緑いっぱいのグリーン牧場でヤギのお散歩が楽しめるシーズンになってきました。伊香保に行ったら温泉と一緒に、動物とのふれあいもぜひ楽しんでみてください。

 

伊香保グリーン牧場のウサギの飼育員さんにもお話を聞きました!ぜひチェックしてみてください。

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